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旅に出ます7 ページ27

『ブッルーシールアーイス〜』

「お前ほんと幸せそうな…」





沖縄のメインストリート。
とりあえず二人づつのグループ行動にした。


好きな人と二人きりでデートしてて幸せじゃないわけない。




「兄貴に泡盛だろ?お母さんとお父さんと…あと従姉妹と…」

『また従姉妹の話…』




俺だってあの子は嫌いじゃない。年の割にしっかりしていて、はっきり物事をいう真面目な子。
洒落っ気もない、わけではないし本当にいい子なんだ。



「……悪ぃ」

『んーん。別に諒は悪くねぇよ、俺がただ醜い嫉妬してるだけ』



カップに残っていたアイスを一気に頬張る。

頭にキンキンと刺激が走り、熱を冷やしてくれるような気がした。


『情ねぇよなぁ、年下の女の子にさ。はぁ〜情ね』

「…俺は嬉しいけど?」



諒はサングラスを少しだけずらし、こちらを眺めていた。



『……クソかっこいいかよこの野郎』

「へへっ、俺の勝ちな」




馬鹿野郎、と罵ってから冷えたジャスミン茶を喉に流し込む。

次はどこに行こうか、そんな話をしていると二人組の女の子に声をかけられた。



「あの、シルクさんですよね?」
「アイスクライマーさんですよね!」

『…うん、そうだけど?』

「きゃーっ!本物だ!私大ファンなんです」
「動画の撮影ですか?すごぉーい!」




女の子はもちろん嫌いじゃない、けど少しだけテンションの合わない子は苦手。




「一緒に写真撮ってもらってもいいですか!」
「四人で撮りたいんです!」

『シルクどうする?』

「んー…まぁ完全プライベートで旅行来てるからとりあえず今は場所バレしたくないんだよな〜。今日のうちはSNSにアップしないって約束できる?」

「もちろんです!」
「わかりましたぁ!」



俺たちは自撮り棒を女の子の横に立ち、いつものポーズを決めた。



「あれ?アイスクライマーさんって婚約されてるんですか?」






どっと、冷や汗が流れる。



右手をアデューしたのが悪かった。




「あれ!シルクさんも…なんですか…?」



やばい、何とかして言い訳を考えないと…なにか、いい言い訳…



「あー、これ?これな、Fischer's全員でつけてんの」

「Fischer's全員?」
「全員婚約されてるんですか?!」

「違う違う。それくらいの固い絆ってこと!それに今は俺ら婚約とか言ってる暇ないし、な!アイス!」

『お、おお!ありがたい事に忙しいもんな…』



何となく納得してくれたのか、女の子たちは街中へ戻って行った。

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設定タグ:Fischer's , シルク , 男主   
作品ジャンル:恋愛
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ぐるり。(プロフ) - しみずさん» んわー!しみずさんありがとうございます!無意味なパート2ですが、今後ともよろしくお願い致します(ノ゚Д゚)ノ↑↑↑ (2018年1月13日 9時) (レス) id: d12cac2abb (このIDを非表示/違反報告)
しみず(プロフ) - わわわ、いつの間にパート2…!!続編おめでとうございます、これからもひっそりとファンで居させてください…!!無理のなさらない程度に更新ふぁいとです…!! (2018年1月13日 3時) (レス) id: 516966c55c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぐるり。 | 作成日時:2018年1月12日 18時

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