南波刑務所のタラシ修理員２【男主】

アホとバカの境界線 ページ46

『上っていうとやっぱ地上だよね…でも道わかんないし』


無線機を頭の上で回しながら歩き回る。


『猿鬼に聞くのが１番だけど、どこにいるか知らないしな』


猿鬼が向かっているとすれば地上。


道を知らないAと道を知っている猿鬼とでは目的の場所に着く速さも違う。


Aが迷子になっている間に猿鬼はすでに上へ。


それでは意味がない。


『あ、猿門なら道知ってるか？主任だし』


名案とでも言うように指を立てる。


『うん、きっと知ってる！道もまだ覚えてるし』


会いたいし…と小さな声で言った。


あわよくばイロイロしたいというのが本音か。


ゲスい笑みを浮かべている。


『でも牢屋の鍵は持ってないからな…』


その顔がイロイロできないかもしれないという不安に染まる。


心配するところが違う。


『とにかく行ってみれば分かるか』


表情が忙しいAだが考えることは落ち着いている。


下心付きだけれど。


『牢屋も壊せるかもしれないし、行ってみる価値はある！』


腰に短刀を差し、無線機を愛用のバッグに入れる。


短刀といっても強化ゴム製で、攻撃されても死ぬことはない。


…当たり所が良ければ。


『猪里といる間も変な人形居たし、正当防衛正当防衛』


正当防衛というがAの場合過剰防衛になりかねない。


もっとも人形に人間の法律が適用されるんだかなんだか。


そんなことはさておきAは猿門の元へと歩き出した。


なんだか罠っぽい床を踏んで上を矢が飛んで行った気がする。


『もー物騒だなぁ。壁にのめり込んでるし』


矢を外し小脇に抱える。矢は気のせいではなかった。


しかし小脇に抱え何をしようというのか。


なにか壮大な考えでもあるのかと思うが、Aだ。


前回の迷言:A先輩とアホは紙一重


とそれなりの付き合いをしている後輩から言われるくらいだ。


まあない。壮大な考えなんぞものは。


逆にあったら兄であるしゅんからも心配される。


そこはものすごく周りからバカにされている。


『さ、いこうっと』


しかし噂をされてもくしゃみ一つしないAは全く気にしていなかった。


これからデートにでも行くのかというくらいご機嫌だった。


ーーー

どうも、作者のnonanoです。

主人公は、それなりにマトモで行くつもりでした

しかし八宵があの迷言を生み出したばっかりに…！

ちなみにバカとアホの違いですが、私の持論を

バカ…学ぶ アホ…学ばない です

あ、まだ説明g…

(自称)イケメントリオ、出会う。→←テッテレッテ　テーレー　テッテレー

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