南波刑務所のタラシ修理員２【男主】

『15番君の優しさが身に沁みる』 ページ27

『あれー？まだ13舎と３舎しかいないの？』


娯楽室。ハジメに呼ばれてやってきたAは予想以上の人の少なさに驚いていた。


『しかもハジメもいないし、ものもないし…看守キジさんだげっ！』


入口でキョロキョロと部屋を見渡していたAは後ろからの襲撃に倒れた。


｢オイA…お前何してんだよ…｣


『やあハジメ…ずいぶん気持ち良さそうなソファー…だ、ね…』


｢Aさぁぁぁん！しっかりしてください！｣


普通だったら柔らかい衝撃が来るだけのソファー。


しかしAは不幸にもソファーの脚に頭をぶつけたのだ。


それは[ソファー]というダイイングメッセージを残してもおかしくはないほどのダメージだろう。


｢こいつは石頭だから大丈夫だろ。それよりこれはどこにおけばいいんだ？｣


『俺にソファーをぶつけたことに関しての謝罪はなにも無しですか…そうですか…』


｢こっちにとりあえずお願いします｣


『もう星太郎も心配してくれなくなっちゃったよ！』


一人で叫ぶAを無視してウノはソファーに飛び乗る。


｢だ、大丈夫か…？｣


優しいジューゴだけは心配してくれた。


｢Aお前も来てたのか｣


Aは自分の名前を呼んだ人物を見ると、突然立ち上がった。


そのおかげでジューゴのあごとAの頭が激突する。


今度はジューゴが倒れた。


｢お前…囚人にケガさせんなよ。責任とんのはこっちなんだぞ｣


名前を呼んだ人物こと猿門は麻雀を持ってそこに立っていた。


『うん…つい嬉しくて…15番君大丈夫？』


ぷにょぷにょとジューゴが嫌がらないのをいいことに頬を突く。


｢おおー！これが[まーじゃん]ってヤツなのか！｣


｢猪里が勝手に持ち込んでたのを処分ついでにくれてやるだけだからな｣


『あ、15番君起きた。５舎も来たよ。さっきはごめんね？』


｢いや、別に…｣


ジューゴはあごをさすりながら答える。


『あとで翁さんとこ行かないと…。そうだ、九十九も誘ったら？』


｢九十九も…？｣


『一応娯楽室の存在は知ってるし。いいんじゃない？』


｢…そ｣


｢Aちゃーん！こっち手伝ってー！｣


『はいはーい！ちょっと待ってね！…大和辺りに言えば連れてきてくれるよ』


｢……｣


Aはニコに呼ばれ、話を途中で終わらせる。


ジューゴはゆっくり立ち上がり、大和のもとへ向かった。


｢ごめんねー、ジューゴ君とのお話途中だった？｣


『いや…大丈夫だよ』

主人公の兄が妻化してきた。夫なのに。→←存在が消えかけていた忍者登場！忍者としては優秀？

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