南波刑務所のタラシ修理員２【男主】

Battle time♪Battle time♪みんな大好きBattle time♪ ページ14

Aは左手で如意棒の先端を受け止め、体だけ横にずらした。


猿門は如意棒をなにもない所に突き出す形になり、前にバランスを崩す。


しかしAが意図的に猿門のバランスを戻した。


猿門は今度は後ろに下がり、Aの様子を見る。


手本のような笑顔を貼付けたAはなにを思っているのか。


猿門は攻撃を仕掛けようとしない。


それどころか逃げの体制になっているようにも見える。


今度はAが攻撃を仕掛けに行った。


地面を蹴り、姿勢を低くしながら猿門の後ろにまわった。


猿門が動揺したかのように足を浮かせる。


ここで普通なら目を見開くなり驚いた表情をしそうだが、猿門は笑っていた。


足の浮いたタイミングでAは足を払う。


しかし猿門はバランスを崩しはしない。


その足を踏み台に上に大きく跳躍し、がら空きの頭上を狙う。


Aは素早く如意棒を掴み、減速させながらそれを避けた。


そのことを知っていたのか。猿門は一時的に如意棒を手放し背中に蹴りを入れた。


背中からミシミシと嫌な音がして、Aは体を反らせる。


つま先立ちになり体を支えづらくなった彼の足を払うと見事にバランスが崩れる。


猿門は彼を仰向けにしてその首に人差し指を当てた。


｢どうだ、俺も強くなって…！？｣


勝ち誇ったようにその男を見て、猿門は大きく目を見開いた。


猿門に倒されているのはAの兄、しゅんだった。


普段見ている限り体格は違うが、現在しゅんが着ている服は体型の分かりにくい修理員用作業着。


Aと仕事交換をしていたのは知っていたのに。


今ここには本来なら一人しかいないはずの作業着を着た男が、二人もいることも。


Aは男を盾にはしないような男だが、兄弟ともなれば別だろう。


服だけで相手を判断。

そして今、鍛錬場には男しかいないということが油断を招いた。


と、猿門は思った。


辺りを見回すと、備え付けの椅子に白い仮面を被った男が座っている。


しゅんの仮面は黒。すなわちあれは


｢A…！｣


そちらに向かって手を伸ばす。


『はぁい♪』


それは確かに、下の男から聞こえた。首を捕まれ押し倒される。


『バァ♡』


黒い仮面を外した男の顔はAだった。


舌を出して馬鹿にするかのように首を押さえる。


｢うっ…あぁ…｣


『猿門…油断はダメだよ…。兄さんに予備の仮面があることは知ってたでしょ？』


｢……くっぅ…｣


Aは手に更なる力を加えた。

理性vs本能　本能の勝利！→←82(ハニー)-71(チィー)=11(ウノ)　ということはハニーはかなり薬の知識があるという事に…！

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