その少女、闇に堕ちる

カレーが十一杯目 ページ13

「……」


『…なんかすいません。変なことに巻き込んじゃって…』


「別に構わないよ。」

そう言って太宰さんは笑った。

『…そう…ですか。』

でも私にはそれが作り笑いにしか見えなかった。

ぐぅぅぅぅ

『！！』


「…Aちゃん？」

私のお腹の馬鹿。空気読んでよ！

「そりゃお腹も減るよね。もう8時だし。」


『すみません…』


「ちょっと待ってて。何か食べるもの…」

そう言って太宰さんが持って来たのは…

『太宰さん？これは…』


「あれ？食べたことない？バランス栄養食だけど…」


『太宰さんもしかして毎日こんなもの食べてんですか？！』


「あ、うん。会食とかがない限りは…」


『そんなの駄目ですよ！体壊しちゃいます！』


「私もともとそこまで食も…」


『駄目です！少し待っていてください！』


「え？」


『材料の一つや二つあるでしょう。作って来ます。』







「おおっ…」


『冷凍庫にうどんと鶏肉がありましたので卵を落として煮込みうどんを作ってみました。』


「カレー以外にも作れたんだね。」


『それ、褒めてるんですか？』


「まぁいいじゃないか。いただきます。」


『どーぞ。』


「…美味しい！」


『それは良かったです。』


「誰かと一緒にご飯を食べるなんて久しぶりだ。とても心が温かくなる。」


『ふふふっ。』

カレーが十二杯→←カレーが十杯

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す