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未怜 ページ10

「お父さん。」





「ん?来たか。」


お父さんは黒い私車にもたれながら煙草を吸っていた。



「腹は減ってねぇか?」




「うん、食べさせてもらって来た。お父さんは?」





「俺も食って来た。…ところでA。」



お父さんがジト目で見て来た。




「な、何?」







「手前、コートも着ずに此処まで来たのか?」






「あ。」




直哉君の家に忘れて来た。



「手前の頭は何処についてんだ?」





「お父さんの知識は帽子に詰まってるんでしょ?」






「はぁ?!手前それ誰に聞いた!」






「子供の頃に太宰さんから。」






「あんの糞鯖…」

お父さんはぐちぐちと悪口を言っていた。
その時、後ろで地を踏む音がした。



私とお父さんは話をやめ、態勢をとる。




「Aちゃん。」




…そこに立っていたのは敵ではなく、未怜さんだった。




「あ…」






「マフラーを忘れていた様だったから届けに来たの。まだ居て良かったわ。」






「あ、有難うございま…」



その時私は思い出した。
未怜さんは失踪したはずの私のお母さんだ。



ということは…
私は急いでお父さんの方を向いた。




「未…怜…?」






「え?」



お父さんはまるで信じられないものを見る様な目で未怜さんを見ていた。





「あの…」







「あ、私の父なんです!迎えに来てくれて…その…」







「まぁそうなの。…二葉亭未怜です。今日は娘さんにお世話になりました。」

しまった。





「み、未怜なのか?!」







「え?はい…」






「っ…未怜さん!マフラーを届けてくれて有難うございました!もし寒いので家におかえりください!」






「え、ええ…」






「待ってくれ、未怜!」








「お父さん!」


私はお父さんを車に押し込み、エンジンを掛けさせた。





「手前…A、どういう事だ。」

お父さん→←着信



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ヘロー - 良い家族ですね!! (2019年5月9日 18時) (レス) id: 5c30253006 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - 梶井さんが好きな岩野泡鳴さん» コメントありがとうございます!そうですね!高校生編と並行してifとして作らせてもらう予定ですので、乞うご期待です! (2019年5月2日 19時) (レス) id: ce823c0f45 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - 梶井さんが好きな岩野泡鳴さん» コメントありがとうございます!そうですね!高校生編と並行してifとして作らせてもらう予定ですので、乞うご期待です! (2019年5月2日 19時) (レス) id: ce823c0f45 (このIDを非表示/違反報告)
梶井さんが好きな岩野泡鳴(プロフ) - 初って事はヒロアカ説あり… (2019年5月2日 4時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - カプチーノ@さん» お返事遅れてごめんなさい!GWに入ったので更新を進めています!是非是非読んでくださいね! (2019年4月29日 11時) (レス) id: ce823c0f45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みつばち | 作成日時:2018年12月30日 23時

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