着信 ページ9
「所有物…?」
どう言うことだろう。
「…主人によると15年前、路地裏に倒れていた私を拾ったらしいの。」
15年前…お母さんが行方不明になった年だ。
「あの人が路地裏に入るだなんて信じられないけど、私自身覚えていないからどうかは分からないわ。…私はその直前に頭を打っているみたいでね、酷い怪我を負っていたらしいわ。」
「…あの、一ついいですか?」
「何かしら。」
「未怜さんが拾われた時って、正確に何月頃かわかりますか?」
「確か…梅雨の季節だったから6月ごろじゃないかしら?その日も雨が降っていたし。」
6月。
私は5月生まれだ。つまりお母さんは病院から失踪後、今の人に拾われたことになる。
「どうしてそんなことを聞くの?」
「え…」
しまった、深入りしすぎたか。
…どうする?言ってしまうのもありだと私は思っていた。
今の生活が辛いなら、一層の事私達と一緒に過ごしてほしい。
私は唾を飲み込んだ。
「それは…」
「A。」
言おうとした直前、直哉君から呼ばれた。
「な、何?」
「携帯、鳴ってるぞ。」
着信を見るとお父さんからだった。
…うわ、留守電が20件入ってる。
「…もしもし。」
「何処に行ってんだ手前!!!!」
飛んできたのは怒号だった。
「五月蝿いなぁ。電話口で怒鳴らないでよ。」
「うるっせぇ!仕事終わらせて家に帰ったら、電気はついてねぇし靴もねぇ!
心臓止まるかと思ったぞ!!!!」
「あーはいはい。御免なさい。」
「…で?今何処に居やがる。」
「あー…」
私は未怜さんの家の近くのコンビニを教えた。
「なんでこんな所にいるんだ?」
「まぁ色々あって。」
「チッ…だいたい手前はなぁ」
「わかったわかった。じゃあ迎えにきてね。」
一方的に切ってやった。
「…親御さん?」
「はい。近くのコンビニを教えたので迎えにきてくれるそうです。」
「…もう帰るのか?」
「明日も学校だしね。また遊びに来るよ。」
「ぜ、絶対だぞ!」
「うん。」
「そこまで送りましょうか?」
「いえ、大丈夫です。有難うございます。」
「じゃあ気をつけてね。」
「はい、御休みなさい。」
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ヘロー - 良い家族ですね!! (2019年5月9日 18時) (レス) id: 5c30253006 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - 梶井さんが好きな岩野泡鳴さん» コメントありがとうございます!そうですね!高校生編と並行してifとして作らせてもらう予定ですので、乞うご期待です! (2019年5月2日 19時) (レス) id: ce823c0f45 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - 梶井さんが好きな岩野泡鳴さん» コメントありがとうございます!そうですね!高校生編と並行してifとして作らせてもらう予定ですので、乞うご期待です! (2019年5月2日 19時) (レス) id: ce823c0f45 (このIDを非表示/違反報告)
梶井さんが好きな岩野泡鳴(プロフ) - 初って事はヒロアカ説あり… (2019年5月2日 4時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - カプチーノ@さん» お返事遅れてごめんなさい!GWに入ったので更新を進めています!是非是非読んでくださいね! (2019年4月29日 11時) (レス) id: ce823c0f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつばち | 作成日時:2018年12月30日 23時