中原家の反抗期【中原中也】三学期！

お母さん ページ3

「ふーん…」






「興味なしかい！」








「別にない訳じゃないけど…」








「はいはい。勉強しようねー。」



確かに似てない訳じゃないと思うけど…
別にお父さんに似てる訳じゃないんだよね。


金髪に赤い猫目。




「…ん？」




金髪に赤い猫目で私に似てる。




「ねぇ。」






「何？やっぱり心当たりある？」







「いや、あの人の名前ってわかるのかな？」







「あー、苗字はネームプレートつけてるからわかるけど、下の名前まではわからないんじゃない？」






「そっか…」




もし名前が知れたら、私の予想の答えがわかるのにな。




「知りたいの？」







「え？んー…まぁ。」






「ふーん…」




友達の一人はペンを置いて席を立ち、先刻の女の人の前に行って少し喋り戻って来た。




「どしたの？」







「名前聞いて来た。」








「は？！」






「だって知りたいんでしょ？」



本当に私の友達ってやつは…




「で？何だったの？」




もう一人の友達が聞いた。




「未怜だって。二葉亭未怜。」








「え…まじ？」







「うん。やっぱり知りたい？ていうかあの人声まで綺麗だよねー、近くで見ると…」




それから話しかけてくる友達の声は一切聞こえなかった。





間違いない。




あの人は…









私のお母さんだ。

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