中原家の反抗期【中原中也】一学期！

母親 ページ24

「…只今。」






「あ！手前…心配したぞ！停戦状態が続いているとはいえ敵のところに一人で行くな！」






「大丈夫だって…小さい頃から行ってるんだから。」



お父さんは少し不機嫌そうに夕飯を作っていた。


夕飯は私の担当だけど…ま、いいか。




「たくっ…何かあってからじゃ遅いんだぞ。」







「分かってるよ。」




私は少し俯いた。



''素敵帽子君本人に…''

乱歩さんの声が脳内で流れる。





「…ねぇ、お父さん。」








「ああ？」








「……ミレイって………誰？」



その瞬間お父さんは手に持っていた皿を一枚落とした。






「…それをどこで知った。」








「お父さんが…寝言で言ってた。」



するとお父さんは自分の眉間に手を当てた。





「…手前の知らなくていいことだ。気にするな。」









「やだ。教えて。」









「無理だ。」









「仕事関係の話なの？」









「いや、そうじゃないが…」







「じゃあ教えて。」



お父さんはしばらく何を言わずに考えていた。



すると突然鍵がついてる引き出しを開けて、一枚の写真を出してきた。





「何これ？」




写真には一人の女の人が写っていた。





「此奴がミレイ







手前の母親だ。」



そう言ってお父さんは椅子に座り、話し始めた。

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