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忘れて、忘れないで ページ20

「三つの約束?」







「うん。」







「…それを聞いたら君はどうするの?」









「ここから飛び降りる。」




Aは自嘲気味の笑顔でそう言った。






「…嫌だ。」









「お兄ちゃん…」






死ぬことをわかっていて誰かを見捨てるなんてこともうしたくない。


これじゃ折角光の世界に来たのに、あの時の繰り返しになるじゃないか。




「…如何していつもこうなんだ。私は結局…なにも変わらない…」








「お兄ちゃんは変わったよ。人を助けてる。だから…ね?」






Aは息を吸い込んだ。




「私と約束してほしいこと、一つ目は」







「嫌だ!!聞きたくない!!」







「まずはちゃんと仕事をすること。国木田さんに迷惑かけないようにね?」








「やめてくれ…A…」






「二つ目。できれば家庭を作ってほしいな。温かい家庭を。」







Aの声がだんだん震えて来ているのがわかる。






「三つ目は…」








「嫌だ…言わないでくれ!!」






「ちゃんと生きて。私と織田作さんの所にはゆっくり来て。」






Aがフェンスを跨いだ。



逆光で表情は読み取れないが、何か光るものを流しているのが見える。






「…あ、そうだ。もう一つあったや。」








「…え?」









「私のこと忘れて…………………忘れないで。」








そう言ってAの姿が消えた。







「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」




嘘つきは君だよ。





何処にもいかないでって…約束したのに…




その瞬間頭の中でモスキート音が響いた。

休憩所→←三つの約束



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Wiyu(プロフ) - もう泣く、涙が・・・ あぁぁぁぁああーーーー! (2018年8月27日 17時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - 岨風さん» コメントありがとうございます!この後更新して続きを書く予定なのでお楽しみにしててください! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 623dcd6ce2 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - 誄歌さん» ありがとうございます!ですよね!太宰さんの甘えは私も好きです! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 623dcd6ce2 (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - ヒラハルさん» ありがとうございます!ボロ泣き…!!あなた様の感情を動かせたようで嬉しいです!! (2018年8月24日 20時) (レス) id: 623dcd6ce2 (このIDを非表示/違反報告)
岨風 - これってハッピーエンドですかバッドエンドですかあああああぁ!!バッドエンドだったら…太宰さん… (2018年8月24日 19時) (レス) id: e97a1e8ef9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みつばち | 作成日時:2018年8月7日 13時

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