よん。 ページ5
私はA、縁結び屋である。
それ故に、仲良くなるひとは、仲良くならなきゃいけない人はたくさんいる。
一途な女の子とDV男はくっつけられないからね。
この前の二人はどうだろうか。ゾムさんのお友達のコネシマさんと、冷たいけど一途に優しいショッピくん。
「Aちゃん！おはよう」
「お花屋さんのお姉さんだ〜、おはようございます」
かわいいお花屋のお姉さん。
このお花屋さんにも結ぶべき人がいるけど、お相手が居酒屋のお兄さんなのだ。
居酒屋ってなかなかいけなくて、お兄さんの人柄がわかってないんだよね…
「この前のお花、とっても喜んでもらえましたよ！」
「ふふ、いつもありがとう」
ショッピとコネシマさんを会わせたときに買ったお花。
私が結んだ老夫婦のお家に届けたら、大事に飾ってくれたんです！
ああ、あの喫煙所にも近いし寄っていこうかな。
魔法の力がまだ残ってたら、二人がまた会ったのかもわかるかも。
喫煙所には人影があった。珍しいなあ。
「あれ、大先生だ」
鬱「…Aちゃんやん、やっほー」
ふー、と吐き出された煙。
この人も私が結んだ。私の幼馴染との友情をね！
懐かしいなあ、あれは何度も失敗した。
まだすごく小さい頃に、先代に習ってやったものだったもん。
鬱「にしても久しぶりやなあ、」
俺とこんなに長い間付き合ってくれる女の子Aちゃんくらいやで、と大先生が笑う。
「嫌いじゃないからね。」
鬱「はー、ほんまどこにもやりたくないわ…」
話しながら、あの二人の今後を探れないかと思考を巡らせる。
鬱「ああそうや、もう少しでな、喧しい奴が来るからAちゃん帰りや」
「へえ、誰？」
鬱「いいから〜。」
大先生は、絶対に私を友達と会わせてくれない。
ひどい、と頭を叩きながら、いつものことだからなあと溜息をついた。
「大先生バイバイ、また会おうね」
鬱「おん、じゃあね〜」
ちょっと残念に思いながら歩く後ろで、聞き覚えのある声がして振り返った。
「こ、」
コネシマさんだ…！！
ああ話しかけたいなあ…いや我慢しよう、今度こんど…
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作者名：癒葉 | 作成日時：2018年8月11日 17時
