じゅうよん。 ページ15
図書委員なんてものになっておきながらやかましい声の委員長が終わりの挨拶を叫んだ。
えっ何もう終わり？
あーほら真面目に委員会でちゃった、ほらこの隣のいい子ちゃんのせいや…
「鬱先輩！ちょっと来てもらっていいですか…？」
鬱「ああ何？」
しまったまた猫被りがでてもうた。無視して帰れば解放されたものを…
「この貸し出しはわかるんですけど、返却はどうやって手続きすればいいんですか？」
鬱「あーごめん、僕そのパソコン触ったことなくてわからんわ」
「そうでしたか…あっ、グルちゃん！」
会長や。
生徒会長は抜け目なく俺に目を向けて、微笑んで見せた後近寄ってきた。
グルッペン「何してるんですここで」
Aさんとはえらい感じの違う敬語やな。
「パソコンの使い方がわかんない…」
グルッペン「…返却はこの画面のままでいい。バーコードを読み取ったら終わりだ」
「なんだ、そうなの！ありがとう！」
鬱「ありがとう、助かったわ」
グルッペン「ええで。…鬱だよな、はじめまして。」
鬱「えっ」
なんで俺のこと知っとるん…
会長は可笑しそうに笑って一言。
グルッペン「お前、テストいつも3位以内やろ。」
鬱「そ、そんなことで…さすがやわ会長」
グルッペン「いや、グルッペンって呼んでくれや。そうご謙遜なさらずにどうぞ、大先生」
鬱「うわ〜それ言ってくるやつ人生で二回目や〜…」
なんや、普通やん。
敬語と標準語と関西弁が混じったグルッペンの言葉は混交でありながら整然としていた。
いや超おもろいなこいつ。爆笑はせんけど、その、興味深いの方や。
俺はどうやら会長も一生徒であるというのを忘れてたみたいだ。いやなんなら学校で一番話しやすいかもしれん。
Aさんは満足そうに笑っていた。
グルッペン「お前ら最近一緒にいるのを見かけるなと思ってたんだ。いつから仲良くなったん？」
鬱「…ん？いや話したのは今日が初めてやんな？」
「ええ！そうです！たまたま移動とか被ったかもしれませんね！」
グルッペン「…初仕事か。大先生は誰と結ぶんだ」
「なっ、なんのこと？！」
鬱「いやほんまに何のこと」
この言葉の意味は、今でも解っていない。
鬱「グルちゃん、Aちゃんの仕事って図書館司書やんな？」
グルッペン「ああそうだゾ。それだけ」
鬱「ほんまに？」
グルッペン「うん」
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作者名：癒葉 | 作成日時：2018年8月11日 17時
