秘書*福岡二期 ページ7
「オスマンさん、こちら大阪様からの研究ライン提示です」
私が差し出した資料を見て、オスマンさんは感嘆の声を漏らす。
五ライン自由に使ってどうぞってことやんな？と私に笑いかけてくるその姿は、まさにゆるふわ。
その裏に外交官としての駆け引きを行う黒い顔があることは、この地では私くらいしか知らない。
ところでさあ、と身を乗り出して、私が来れば必ず仰る言葉を投げかけてくる。
オスマン「Aちゃん、秘書やらへん？」
「お断りいたします。申し訳ありませんが、私より適任の者がいますので」
しかし今日は違った。
あ〜前世の大日本帝国でも誰かにこんな言葉聞いたわ、今世でも俺は苦しむん？と言われてしまった。
此方としては受け入れざるを得ない。何故か？…こんな馬鹿みたいなことを言い始めた後論争が始まるからだ。
こうしてこの瞬間秘書となったのである。
…実はやることは変わらなかったりする。
朝六時。
オスマンさんが仕事を始める少し前の時間に出来上がることを狙って、さっぱりしたデザートを作り始める。
朝七時。
オスマンさんの起床して少し経ったこの時間にそれが完成し、私の手で運ばれる。
今日も美味しいめう〜、とゆっくり味わい頬を緩ませるその姿は、仮にも福岡の頂点とは思えない。…より正確に言えば頂点は大阪様だが。
朝八時からはオスマンさんについて回るか資料をお届けする。…意外と大変である。オスマンさんに回す必要のないものは此方で片付けるためだ。
オスマン「Aちゃん、大阪様に会いに行くけど行く？」
「そうですね…是非、お供させて下さい」
正直直接大阪様に会いに行くのは怖いが、何かあっては困る。オスマンさんは私が守らねばならない。
グルッペン「？オスマン、今回は連れがいるんだな」
オスマン「やっと秘書にできためう〜、苦労しためう〜」
「いつもお世話になっております。今後ともよろしくお願い致します」
グルッペン「…よくできてるじゃないか。茶菓子も作れるんだろう？大阪に来てくれたら…」
オスマン「あーだめだめ！Aちゃんは純粋なる福岡県民やんな？だからあげない！」
「(大阪様ともなれば私より腕の立つ人材も多いのでは…？)」
オスマン「研究五ラインありがとう！それだけ！帰る！」
いつか裏切ってやる…と帰り道聞こえたのは空耳かもしれない。
隣のオスマンさんは次の瞬間にはにこにことして、またなんか作って？と私にねだっているのだから。
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癒葉(プロフ) - 白さん» 白さんから言っていただけるなんて光栄です！ご覧いただきありがとうございます！ (2017年11月14日 5時) (
レス) id: 0156353fc1 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 今更ですがめっちゃ好きです。 (2017年11月13日 22時) (レス) id: 9a945fdf2a (このIDを非表示/違反報告)
癒葉(プロフ) - 平田さん» ありがとうございます！一緒の方がいてくれて嬉しいです(´∀｀*)更新頑張らせていただきます！ (2017年8月12日 17時) (レス) id: 0156353fc1 (このIDを非表示/違反報告)
平田(プロフ) - 都道府県マルチの小説なんて私得すぎてやばいです！更新頑張ってください。 (2017年8月12日 14時) (レス) id: 15eebfac1c (このIDを非表示/違反報告)
癒葉(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！続きのお話書かせて頂きます(〃'ω') (2017年7月25日 8時) (レス) id: f1559b2ae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒葉 | 作成日時：2017年7月23日 23時
