八羽。 ページ9
「これをオーブンで焼くの。そしたら、このチョコレートにつけて食べるのよ」
ひとらんらんとオスマンが熱心に聞いている横で、オーブンを覗き込んでいるグルッペン。
すごく熱そうだし近くは危ないんだけど、好奇心に輝く目には勝てない。
「お茶は…茶葉についてはまた後で教えるわ。今回はこの茶葉で、ちょっとミルクを混ぜるの」
オスマン「…これでええの？」
「上手！…あ、鍋は熱いわよ」
ビスケットもまだ焼けない。紅茶は蒸らさなきゃいけない。
暇ができたオスマンが鍋で温めているチョコレートに手を伸ばす。
指で掬い取って舐めると、ふわっと頬を緩めた。
オスマン「おいしいなあこれ。ほら」
それをそのまま私の口に入れる。
「ん、…もうチョコレートはついてないじゃない！」
ひとらん「…あのさあ、」
オスマン「ちょっと食べさせてあげただけやん！怒んないでやひとらんらん〜」
ひとらん「はあ…まあいいけど」
グルッペン「お、焼けたみたいだゾ」
「焼けたの！グルッペン、どいて？」
グルッペン「…仕方あるまい、あと五分」
「貴方が退かないと冷ませない、食べれないわ」
しぶしぶ離れるグルッペン。
紅茶ももういいわ、と言うとオスマンが直ぐさま蓋を取り、部屋にミルクティーの香りが満ちる。
「さ、今日は飲んだら一日を終えましょう。大分遅くなっちゃったけどね」
その前に動けない人の介抱、と言うと全員嫌そうな顔をする。信頼してるんでしょう、ね…
食堂に戻ると、全員少しは回復したらしい、あの重い苦しげな声は聞こえなくなっていた。
「ねえ、一緒にベランダに出てクールダウンしない？」
皆乗ってくれた。優しいわ。
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癒葉(プロフ) - 星空りゅなさん» ありがとうございます！月末はもっと力を入れて更新したいと思います(〃'ω') (2017年8月15日 16時) (
レス) id: 0156353fc1 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - とても面白いです…！ゾムさん好きなので書斎のお話嬉しかったです！更新待ってます、更新頑張ってください！ (2017年8月15日 12時) (レス) id: e1f99b34a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒葉 | 作成日時：2017年8月9日 10時
