四十一羽。 ページ42
鬱「これは正当防衛やったって言って撃っても、ほんとに信じてくれるのは何人いると思う？」
銃口。
私に向けられたのは、私が何か悪いことをしたから？
俺から皆をうばわないで、そう言われている気がした。
鬱「何も言わないん？」
冷ややかな、刺すように冷ややかな目に少しの恐怖を感じて目を閉じた。
パン、と乾いた音。
…上手ね。初めてでこんなに標的から近くに当たるなんて、私にはありえなかった。
私を殺したら、大先生は少なくとも幸せだってこと？
それともわざと外してくれた？それは上手すぎるかもね。
鬱「…結構響くんやな、皆来るかも」
「大先生はもっとしっかり地を踏まなきゃだめよ。反動で倒れちゃいそう」
鬱「その話してんとちゃうねんけど…」
ちりんと鈴が鳴った。
あ、ロボロの…
大先生が声をあげた。目は冷たいまま。
鬱「それロボロのちゃう？どうしたん？」
「…貰ったの。」
ゆるい溜息が響いた。
鬱「…そっか」
大事にしてたのにおかしいな、と困ったように笑う。
大先生の笑い方って素敵。根本は本当に黒いのに、色々な顔を持ってるのね。
「どうして私を殺したいの？」
鬱「いや殺したいわけじゃないんや、グルちゃんも良いって言ってるし」
「じゃあ何で銃を向けるのよ、馬鹿ね」
鬱「…そういうとこな、余裕って言うか…
崩したくなるのは当たり前やろ」
「私が良い印象を与えられてないこと位しかわからないわ」
ねえ、大先生は弱いの？強いの？
鬱「すごい女々しい質問すんねんけど、」
「何？」
鬱「俺のことどう認識してんの？」
「…わかるわけないでしょ。わかんないわよ」
鬱「…もっと賢いと思っとったわ」
「あら、幻滅した？残念」
鬱「いや安心した。俺もAちゃんのこと全然わからへん」
ちょっと和らいだ空気に、大先生が銃を投げた。
鬱「あー馬鹿馬鹿しいわ、何しとったんやろな俺」
そうやって気分で終わっちゃうところも、ちょっとゾムと似てるのね。
皆そうなの？
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癒葉(プロフ) - 星空りゅなさん» ありがとうございます！月末はもっと力を入れて更新したいと思います(〃'ω') (2017年8月15日 16時) (
レス) id: 0156353fc1 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - とても面白いです…！ゾムさん好きなので書斎のお話嬉しかったです！更新待ってます、更新頑張ってください！ (2017年8月15日 12時) (レス) id: e1f99b34a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒葉 | 作成日時：2017年8月9日 10時
