三十六羽。 ページ37
「…今日はこれで終わり！」
グルッペン「もっと」
「だめ、疲れた」
グルッペン「…仕方ないな」
グルッペン「…ここは違うんじゃないですかね」
「えっ」
グルッペン「二ページ前ではこの文は恋わずらいの花だった。花わずらいの恋、になってる」
「あ、…恋自体がわずらう訳無いわよね」
グルッペン「ふ、ロマンチックではあるな」
恋が花に悩む、そうね、ロマンチックではあるわ。
「初恋の花を知ってる？」
レケナウルティア、蝶みたいな形をした色とりどりの。
恋煩いの花は、
いやいやきっと全く別の、この世には絶対にない花でしょう。
グルッペン「この家に？」
「ええ、植えてあるわ。」
雪解けと一緒に咲くの。陽当たりのいい四階の小さいホールに置いてあるわ。
グルッペン「…いくつか聞きたいことがある」
熱心に見ていた原本(グルッペンがわたしから取り上げたのよ！)を閉じた。
グルッペン「家は裕福なんだろう？」
「…そうね、多分」
グルッペン「何故一人でここに？」
「お父様もお母様も来ていたんだけど、帰っちゃったの。日本が私の母国に国を閉じてしまったからね。」
ここなら見つからないから、絶対に見つからないからここに居なさいと言い残してお帰りになったわ。
きっと魔法がかかってるんでしょうね。
グルッペンは溜息をついて質問をやめた。
何にも知らないんやなと呆れるように！
私だって全部聞かされてる訳じゃないのよ！知りたくない訳じゃないのよ！
ただお母様までもが私には絶対教えてくれないの…
肩を落とす私に彼がにこりと笑って一言、
グルッペン「A、紅茶」
「ええ…？」
グルッペン「ほら、早くしろ」
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癒葉(プロフ) - 星空りゅなさん» ありがとうございます！月末はもっと力を入れて更新したいと思います(〃'ω') (2017年8月15日 16時) (
レス) id: 0156353fc1 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - とても面白いです…！ゾムさん好きなので書斎のお話嬉しかったです！更新待ってます、更新頑張ってください！ (2017年8月15日 12時) (レス) id: e1f99b34a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒葉 | 作成日時：2017年8月9日 10時
