私はまだ生きています

地下牢 ※胸糞注意 絶対に想像しない事 ページ6

目覚めたAは真っ暗な地下牢で冷静に考えていた

なんで私は此処にいるんだろう？

あの人に連れてこられたから

親が変わるのかな？

親って言葉は知ってるけど意味を知らない
でも多分そう

性別まで変わるのかな？

多分親って物には性別関係無いのかも

ここでは何をすればいいんだろう？

多分今までと同じ

大量の疑問がグルグル頭の中を回りテキトーな答えを出してはまた疑問が産まれるジレンマにハマる

真っ暗な空間で自我をしっかりと保っている方法はこれしか知らなかったから

あの人たち私の親も私も嫌いなんだろうなぁ

あの目を見れば分かる。よく知っている目

私の親と仲良く笑う男の横にいる女の人や私に意地悪する人達と同じ

ゴミを見るような

薄汚いネズミの死骸を見るような目

でも此処は良い

ちゃんとご飯が食べられた

お菓子を貰えた

多分まだ死なないし殺されない

でも何で？

ムネが痛い気がする

『・・・・ぁ』

多分あの金髪の人と茶髪の人のせいだ

でも体が痛いのはいつもの事なのに何で今日はこんなに痛い？

きっと知らない国の人が知らない言葉で何か言ってきたからだ

知らない国の人間にまで

嫌われたせいだ

あぁかゆいなぁ

カユイナァカユイナァカユイナァ

親が初めて私に着せた綺麗な服の下がすごくかゆいなぁ

手は拘束されてなくて、とりあえず服を汚さない様に脱いで痒いところを掻きまくる

違う、もっと奥。もっともっと奥の方

無意識に指先に力が入りブチブチと体の何かが千切れる音が聞こえる気がしたけどそんなの知らない

一心不乱に掻き続ければ少しずつ痒みが収まってすっきりする

掻いた所をなんとなく撫でるように触ったり爪を立てて抉ったりすればポトポトッと小さい何かが落ちる音がする

あぁ私が落ちていく

私が崩れていく

でもなんとなく嬉しくて

楽しくていつも続けてしまう

何も考えなくていいから落ちたコレの正体もどーでもいい

ふと手を止めれば指先でコレが動く

無意識にコレを掴みあげて口に運び咀嚼する

何ら変わらない

いつも通りの味

血とコレの味が混ざって私のお腹に入っていく

コレが私の中に帰ってきた


ふと私の周りでプーンとコレが飛ぶ音が聞こえる

あぁ君は大人になれたんだね

『フフッ』

おめでとう君はもう自由だ

冷たい地面に横になり開けていた目を閉じた

コレは私にお礼でも言うか様にまだ周りを飛び続ける

もう分かったよ

本当におめでとう

じゃあ





行ってらっしゃい

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