王子様と姫と悪役は ページ23
廃墟の屋敷に土足で入り込んだヴェルはトランクを開けAを近くの椅子に座らせる
逃亡してから既に３日という時が流れいつ見つかっても良いような状態
我々国から遠くもなく近くもない微妙な場所に配置されているこの廃墟に滞在していた
ヴェル「きっと彼らならすぐに俺達を見つけるんでしょうね」
『そうでしょうね』
ヴェル「俺、ずっと不思議だったんですよA」
『何がです』
ヴェルは椅子に座らせているAの前に跪き笑った
ヴェル「貴女ですよA」
『そうですか』
ヴェル「最初はその瞳に惹かれてただ貴女を救う正義の王子になりたかった」
Aはボーッと見つめるのみだった
ヴェル「でもなれなかった彼奴らが勝手に貴女を道具のように受け渡したから」
スッと立ち上がると櫛を取り出しAの髪を結い始めた
ヴェル「でも貴女を守りたいと思ったんですその瞳の為とも言えますが私のために」
『だからなんですか』
ヴェル「俺は正義の王子様を諦めて悪役になろうと思ったんです。女性は悪い男が好きですから」
『何故？女性はお姫様男性は王子様のような人間が好ましいのでは？』
ヴェル「確かにそうかもしれない。でも世の女性は基本そうじゃないんです」
抜ける髪に目もくれず軽く編み込んでいく
ヴェル「正義の王子様は多数の人間と貴女独りなら貴女の命を捨ててしまうんです。だって100人中1人だけ正しい事を言っていても99人が違うと言えば99人が正義になるのだから」
ヴェル「悪役は違う。貴女の為だけに正義の王子様に挑み貴女だけの為に99人を殺す・・・全てを壊すんです」
『素敵な物語ですね』
ヴェル「そうですね。貴女は意思のない可哀想で哀れなお姫様だと思ってましたが違うと今分かりましたよ」
ヴェルは結い終えるとAを後ろから抱きしめ両耳をそっと手で覆った
ヴェル「きっと君こそがこの世の悪役ですよ。」
ヴェルが目を閉じると廃墟の板で塞がれた窓をぶち破りコネシマとシャオロンが飛び込んできた
シャオロン「ふーん随分近くに居るもんやなぁ容姿もちゃうし何が目的なん？誰かさん」
コネシマ「ヴェルなんて名前の国民はどこにも居らんどこの誰でどうやったのか吐け」
ゾム「ついでにソレを連れてった理由もな」
建物の影からそっとゾムも姿を現した
ヴェル「理由は俺がAの瞳が欲しかったからさ」
ヴェルは嘲笑うかのように笑った
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たぴくん - めっちゃ続き気になります！更新頑張ってください！ (2022年9月17日 21時) (
レス) @page34 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - えっあ重っえあ、こういう作品好きです、応援しとります、更新頑張ってください (2022年9月17日 20時) (レス) @page34 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - 更新ありがとうございます！とても続きが気になります！更新頑張ってください！ (2022年8月7日 23時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - このような話めっちゃ好きです！他の作品も全て読まさせてもらいました！無理はしない範囲でいいので頑張ってください！応援しています！ (2022年8月2日 9時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春よこーいw | 作成日時：2022年7月6日 3時
