続き ページ18
チーノ「だからとりあえずひとらんさんも刀から手を離して貰っても良いですか？」
ニコッと効果音の付きそうな作り笑いで言うチーノにビックリして手元に目を向けると
俺はしっかりと刀に手を添えていて抜刀寸前だった
ひとらん「うん、畑は終わったからAはチーノに任せるね」
はーいとチーノの抜けた返事を聞き早足で部屋に戻った
途中で使用人に話し掛けられた気がするが体を流れる冷や汗に気付かれないように
落ち着きのないこの顔を軍帽で隠して部屋へ急いだ
部屋につき軍帽とマスクを荒々しく棚の上に放ると冷や汗がどっと流れた
俺は・・・何をしようとした？
なんでAにあそこまでイラついた？
目を閉じ、落ち着こうとするが冷や汗はどんどん流れ出す始末
俺は昔Aを切り付けた事を思い出して今更ながら手が震えた
あの時はコネちゃんやシャオロンが畑を荒らして
任務あるのにゾムが勝手にイフリートと散歩行くしでイライラが頂点を突破していて本当の意味で八つ当たりだった
ランタンを牢の前に置いて真っ暗な牢へ入り気配のする方に何度も刀を振った
スッキリはせず溜め息を吐き落ち着くと靴がピチャッと水溜まりの様なものを踏んだ
ひとらん「最悪」
溜め息混じりにそう言いランタン片手に階段を上がるとなんと無く背後に気配がしたような気がして振り向くが
誰もおらずあったのは俺の真っ赤な足跡だけだった
ひとらん「クッソ！」
思い出したくなかった
せめて俺だけはあの女にまで捨てられた可哀想なAを
無力で俺達に屈服するしかないAを守ってあげたかったのに
あの日の八つ当たりが胸の奥で引っ掛かって出来なくなってしまった
ベッドに座り深呼吸をするも手の震えは収まらない
ひとらん「止まれ・・・頼むからっ止まれよ」
震える利き手を逆の手で掴むが全く止まらず涙が流れ落ちる
きっとチーノが来なかったら俺はまたAを切り付けただろう
もしかしたら殺してしまっていたかもしれない
そう思えば思うほど罪悪感に包まれた
ロボロ「ひとらん、会議の時間やで」
ひとらん「分かった。すぐに行くよ」
ロボロの声で現実に引き戻される
きっと毎年恒例のAを生かすか殺すかの多数決
ひとらん「よし、いこう」
息を整え、マスクをつけ軍帽を被り部屋を出た
ひとらん「せめて今年もAが生きていられるように」
俺はせめてもの願いでこの苦界にAを生かす
水菜の花言葉は・・・虚空
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たぴくん - めっちゃ続き気になります！更新頑張ってください！ (2022年9月17日 21時) (
レス) @page34 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - えっあ重っえあ、こういう作品好きです、応援しとります、更新頑張ってください (2022年9月17日 20時) (レス) @page34 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - 更新ありがとうございます！とても続きが気になります！更新頑張ってください！ (2022年8月7日 23時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - このような話めっちゃ好きです！他の作品も全て読まさせてもらいました！無理はしない範囲でいいので頑張ってください！応援しています！ (2022年8月2日 9時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春よこーいw | 作成日時：2022年7月6日 3時
