７つまでは神の子 (ページ50)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:77,559 hit

種明かしページ50

話し合い後兄さんが医務室のドアを開きまっすぐ端のベッドへ行くとAがニコニコと笑っていた

兄さん「調子はどうだ」

『元気ですよ。聞きたいのはこんな事じゃ無いんでしょ』

ぺ神「まぁそりゃね」

『神のお兄さんもタバコのお兄さんもせっかちですね』

ぺ神「はいはい、じゃあそろそろ教えてもらおっか」

『勿論、それが・・・』

Aは今までの笑顔とは違い心の底から笑った

『契約ですから』

ぺ神「俺らが人間に見えないって本当？」

『嘘ですよ。人間として認識していますし
しっかり顔も分かります』

兄さん「なら何で取り乱した？」

『都合が良かったので』

ぺ神「ひとらんや俺達の事どう思う？」

『すごい人達です』

兄さん「すごい？」

『すごく1人1人が偏ってて強くて優しくて情に流されやすくて頭の可笑しな人達』

ぺ神「わぁ綺麗なディス」

『でもそれくらいが良いじゃないですか。人間らしくて』

兄さん「まぁな」

ぺ神「此処はAにとって悪で至らしめる為の舞台って具体的にどういう事？」

『私は愛を悪として生きています。私の誇りとして・・・歪で醜い愛と言うドラッグを生きる理由にして今まで生にしがみつきました』

兄さん「Aの生涯が・・・演劇かなんかだって言いたいのか」

『そうですよ。私にとっては私が主演女優の独り善がりなダークヒーロー物語です』

兄さん「違う！お前の人生はエンタメじゃないんだ！お前の人生はっ・・・」

『否定しないでくださいよ。間違ってるなんて自覚したくないんですよ』

両手を固く握り兄さんの目を見ないAは
兄さんが言いたい言葉を遮った

ぺ神「じゃあ何でわざわざ俺達の生きて欲しいって言葉を飲み込んだの？今までの君なら簡単には飲まなかったよね？」

『私はこの国が大好きです。汚くて神だのなんだって信仰して期待が通らなければ神に泣き叫ぶ国民が好きです』

兄さん「好きって・・・」

『でも白いお兄さん・・・ひとらんさんの噂は聞いてましたし私の母と姉にあたる彼女のせいで近い内にこの国は大国を敵に回し負けると踏んだんです。だから私はその根元を消したかっただけです』

兄さん「だから此処に来たのか？お前を蔑ろにした連中の為にお前を切り捨てた連中の為にっ！」

『切り捨てなんて誰だってやってるでしょ。普通の事ですよ』

ぺ神「ひとらんにわざわざ噛みついてた理由は？」

Aは少し泣きそうな顔をして無理に笑った

※続編へ行きます