７つまでは神の子 (ページ25)

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殺してまでページ25

Aが真夜中の城を徘徊していると血濡れになりながら4人の巨漢を嬲り殺しにしているゾムを発見した

『こんばんは』

急に話しかけられまだ殺人の興奮が収まらないゾムはAの眼球スレスレでナイフを止めた

『いやぁコワイコワイ』

ゾム「なんやお前か。ビックリさせんなや」

『すみません』

少し距離を取るとゾムは殺した男達をバラバラにし麻袋に詰めた

ゾム「後は部下に任せるか」

『袋の運搬とお掃除だけですもんね！部下さんは楽で良いわ』

ゾム「楽ではないやろ。その証拠に他の部隊よりウチの兵はぺ神のカウンセリング必須やし」

『えっ兵の心の平和と国の平和とを両方保ちたいんですか？』

ゾム「悪いか、俺は殺人になんとも思わんやから殺しは基本俺が独りで殺る。俺を含め幹部らは割り切れるけど兵達は気持ちの割り切りが出来ん」

『出来ねぇ訳ねぇだろ。アホか』

ゾム「なんやと？」

『緑のお兄さんとこの兵は出来無いんじゃなくてやら無いんだよ。国へのちっぽけな忠誠胸に小銭目当てで人殺しして命令を言い訳に責任だなんだを負いたく無いから』

ゾム「ふざけんな！暗殺は楽や無い！俺は夢で魘されとる部下も自ら命を捨てる部下も全部見てきた
アイツらが無責任で覚悟の無い野郎だなんて言わせん！」

『言わせんって事実でしょ？夢で魘される？自害する？だから何？そんな雑魚兵士は取るに足らないでしょ』

ゾムがAの襟を鷲掴みにし持ち上げAは宙に浮いた

ゾム「取るに足らん？何言っとんねん！命の大切さが分からんのか！俺もスラム出身やけどそんな俺でも分かんでクソガキ！」

『なら私は？』

ゾム「それ・・・は」

『命の大切さが分かるんでしょ？なら私の命は？私は赤ん坊の時、川に捨てられたらしいけど私の命への大切さは？』

ゾム「やっやけど・・・アルビノ、やし」

『アルビノには命の価値が無いと？まぁ悪魔の子だもんね。人と少し違って色が白いだけなのにね面白ーい』

ゾムはケラケラと笑いながら両手を叩くAを床に下ろすと目を反らした

『貴方は私の命に価値を見出ださなかったのと同じ様にあなたの所の兵士達はお互い命懸けの命令に従ってんのに敵から自分達が何で妬み恨まれなきゃいけないのか分からないんですよ
命令に沿って殺すのは虫を殺すのと同じで』

ゾムは目を見開き言葉の続きを待つように微笑むAを見つめた

『唯一自分の自己肯定感を高める瞬間だから
殺した敵の頭を踏みつけて俺の方が強いってね』