蝶とカメラ ページ27
エーミール目線
図書室でお茶を飲んでいると紫さんが話しかけてきた
紫「今日はドブ水コーヒーじゃ無いんですね」
エーミール「はぁ、貴女は昔から変わりませんね」
紫「そんなに褒めないで下さい」
ニヤニヤとしながら向かいの席に座り紅茶を飲む紫さんを見ていると唯一無二の娘Aが頭をよぎった
無欲で大人しく、写真が大好きな我が子
貴女が私を避けて居たのは私の為なのでしょ?
それくらい分かりますよ。貴女はとっても優しい子ですから
エーミール「Aにとって此処ってどんな所やったんやろ?やっぱり彼処と変わらんのかな」
紫「何ですか急に、でもまぁ大切な所でしょ
じゃなきゃ地獄みたいな所に寝返ってまで守りませんよ。バカなんですか?」
エーミール「いやぁ自信がないんよ。此処でも一部の使用人や兵士に暴行を加えられてたやん?父親としては情けない気持ちで一杯で」
紫「だからなんですか?」
エーミール「え?」
やれやれとでも言いたげな顔で紫さんはティーポットに手を伸ばした
紫「このティーカップに紅茶はどれくらい入りますか?」
エーミール「どう頑張ってもティーカップ一杯分ですね、それ以上は溢れてしまいますから」
紫「そういう事ですよ」
エーミール「えっ」
まったく理解できず首を傾げると紫さんはため息をはき、言葉を発した
紫「このティーカップは先生です、紅茶は貴方が請け負わなければいけない仕事や守らなくてはいけないものです」
エーミール「はっはい」
ティーカップにはすでに並々の紅茶が注がれた
紫「ではこのミルクをAちゃんとしましょう」
そういいながらほんの少しミルクを加えられ紅茶はカップギリギリに収まった
紫「これがAちゃんが来て貴方に父親としての仕事量」
エーミール「もう、入りませんね」
紫「はい、そんな裏の所だのなんだのってお世話してたら貴方が潰れてしまう。貴方は間違ってなかったんですよ
少なからず自分のキャパ以内で良く頑張ったんです」
紫さんの言葉でほんの少し・・・ほんの少しだけ胸が軽くなった
エーミール「ありがとう、ございます」
紫「まぁマグカップ一杯分のコーヒーがそれ以上に増えないのと同じ様に人間のキャパも大人になれば決まって、増えません。まぁ歳と共に減りますけどね」
エーミール「はぁ、貴女は本当に一言多いですよ」
紫「いじってるだけですよ」
待っていてくださいね愛しい娘
エーミール「すぐに迎えに行きますからね」
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葉っぱ - 完結お疲れ様です‼最終話を読んで今涙ボロボロでうっています。素敵なお話をありがとうございました。 (2022年1月17日 21時) (レス) @page36 id: 2f7b225366 (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 完結おめでとうございます!感動してしまったり微笑ましくなったりいろんな感情になりました!とても、面白かったです! (2022年1月16日 13時) (レス) @page36 id: 072a11d2a3 (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 完結おめでとうございます!!いやぁ、よかったよぉ(泣)この作品本当に好きですし、春よこーいw さんの作品全部好きです! (2022年1月16日 10時) (レス) @page36 id: 74fcfd0a5e (このIDを非表示/違反報告)
プライ(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当に好きな作品です! (2022年1月16日 8時) (レス) @page36 id: ee059c340d (このIDを非表示/違反報告)
Siitake(プロフ) - カンケツオメデトウゴザイマス!オキニイリサクシャトウロクシツレイシマス (2022年1月16日 0時) (レス) @page36 id: 01565e1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春よこーいw | 作成日時:2021年10月30日 20時