・・・ ページ35
この国に虐げられたのにこの国の姫に助けられるなんて屈辱でしかなかったからな
そんな俺にAはケラケラと笑いながら言った
『でも貴方は国民でしょ?知ってる?王族はね国民を助けるのもお仕事なんだよ!』
グルッペン「王族が国民を助ける?冗談は休み休みいえ!お前ら王族は知能すらまともに残っていない欲の塊の様な貴族どもを守るばかりで国民を愉悦で食い潰す害虫やろが!」
確かこんな事を言ったと思う、むしろもっと口汚く貶したかもしれん。歳を取るのは嫌だな、もう細かく覚えていない
でもAは泣く事もなく『あはは、メイドも裏では王族も貴族も国のガンって言ってるよ』と笑い
俺の手を力一杯引いて裏庭に続く通路に出た
『ここからはまっすぐいけば出られるよ。まっすぐ走るとね貴族のゴルフ場があるの。
少し遠いけど走ればゴルフ場と小さな森を抜けて街に帰れるよ』
そういったんだ
ゴルフ場はよく知っていた
俺の家の前にあるゴルフ場だったからな
俺がだんまりを決めているとAは困ったようにまた笑った
『本当はね、お仕事の為に助けたんじゃないんだ』
俺が反応するとAは少しずつ手の力を抜いていった
『貴方はトントンのお友達なんでしょ?前にトントンを尾行したとき2人ともとっても楽しそうにしてたもん』
グルッペン「友達だと?」
『トントンね、私のお世話沢山してくれるの。でも全く笑ってくれない。トントンは貴方とお喋り出来なくなるとたぶん悲しくなっちゃうと思うんだ』
俺から手をはなし、後ろに数歩下がるとAは小さく笑った
『バイバイ、トントンと仲良くね』
それから俺は全力で走り家に帰ると日常に戻った
トン助、Aは・・・お前に嫌われてる事も裏で悪口吐いて悪態ついていることも知っていたゾ
知っていながらも知らんフリをして、保っていた
これが俺のトラウマだ
昔カマを掛けてみたがAは全く覚えたいなかった
俺はAに命を助けられた
なのに俺はどうだ?当時もそうだが悪態ついて突き放して逃げてばかりだ
Aを仲間に入れたのも、面白そうって言うのも理由の1つだが知られた以上駒として使ってやるという気持ちと助かられた恩返し
毎晩眠る度にAはさっきのように地面に座り込み俺を見上げ『どうして?』と問いかけてくる
幻覚で、夢だと頭では理解してるが毎日毎日変わらず現れる
まるで俺の罪を忘れぬ様に俺の脳に揉み込むように何度も何度も現れる
195人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春よこーいw(プロフ) - フレンチクルーラーさん» ありがとうございます!思いつきばったりの作品ではありますが完結まで頑張ろうと思いますので最後まで楽しんでいただけると幸いです! (11月30日 21時) (レス) id: fa6ba2ac8c (このIDを非表示/違反報告)
フレンチクルーラー(プロフ) - やっぱり作品全部好きです。珍しい感じですが楽しみにしてます (11月28日 15時) (レス) @page22 id: c6e205f5c8 (このIDを非表示/違反報告)
春よこーいw(プロフ) - モモさん» お褒めいただきありがとうございます!全くヤバくは無いですよ!まぁ主はそれ以上提言せずニッコリ微笑んでおきますね!これからも頑張らせて頂きますw (11月21日 2時) (レス) id: fa6ba2ac8c (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 作者様特有のあのとても心にくる内容のお話が本当に大好き!絶対こんなこと言ってる私もヤバいと思うけどwこれからも頑張ってください!応援してます!あとちょこちょこ面白いネタがあるのも最高に癖になりますw (11月17日 20時) (レス) @page15 id: bd57c4fe8f (このIDを非表示/違反報告)
春よこーいw(プロフ) - 烏丸さん» いやぁたまにはいつもと違うの書きたいなぁという思いつきで後先考えず書いてるのでこれからの流れとか正直まったく考えてないんですけどこれからも楽しんで頂けるように頑張ります! (10月24日 6時) (レス) id: fa6ba2ac8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春よこーいw | 作成日時:2023年9月18日 22時