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俺はそう思って顔を上げた
でもAは醜い顔なんて生易しい顔をしていなかった
声は聞こえないが大口を開けて腹の底から笑うAはロープに手を掛ける事ももがく事もせずまるで雨の日に子供が作る
てるてる坊主の様に大人しく吊るされていた
いつもなら短いと思える処刑時間でさえ長く感じているとエーミールがバタバタとグルッペンへ駆け寄り何かを耳打ちする
グルッペン「・・・そうか、すまない国民諸君。処刑は一時中断し先送りとする」
グルッペンが手を下げると同時に俺は粛清剣を引き抜き軽く地面を蹴りロープを切り落とした
グルッペン「理由は証拠と現状に相違が出た事と数名密告者が名乗り出ているという点を考慮し国のため、皆の為にも
もう一度厳粛に話し合い、決議を決めることにする」
国民達からのざわめきはグルッペンの発言が終わるや否や総統閣下万歳等の言葉に変わっていた
地面に崩れ落ちたAは激しく咳き込みながら本能的に酸素を取り込み髪の隙間から俺を見つめていた
トントン「なんや、聞いとったやろ。お前の処刑は先延ばしや」
分かったらとっとと立ち上がれと言うもAは両目を見開いて首を激しく左右に振っていた
トントン「あ？何の真似や、生憎俺も暇やないねん」
Aの手枷についている鎖を引くもAは立ち上がることもなく『あ“ァ“ｧ““』などとしゃがれた声を上げて喚きだした
国民達は軽く怯えたような瞳で俺とAを見ていたし、ゾムとコネシマシャオロンはAを回収する為、グルッペンの側から離れたのが見える
『ドン・・・ドン・・・ドっト』
あぁ早く誰か来てくれ
『トン・・・トン・・・トントン！』
歪んだ笑顔で焦点の合わない瞳を揺らし、地面を這いながら俺のズボンを握りすがり付くAは俺ですら恐怖だった
久々に名前を呼ばれたが嬉しいなんて感情は１ミリも沸かなくて、少し前なら名前を呼ばれただけで吐き気がして怒りが永遠と湧いてきたのにその時は憎悪の感情さえも沸かなかった
走ってきたゾム達が俺からAを引き剥がし更に鎖やロープで拘束し、連れていくとAは叫び散らかしていた
Aはあの時本当に死にたかったのだろうと俺は思う
この万年筆を握った時から死を察して、やっと楽になれると心の底から喜んでいたんやと思う
処刑されないと分かったAが俺の足にすがり付いてきたのはきっと俺の怒りを買って・・・殺して貰う為
色々と合点がいく今俺は
何よりも生き苦しい
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春よこーいw(プロフ) - フレンチクルーラーさん» ありがとうございます！思いつきばったりの作品ではありますが完結まで頑張ろうと思いますので最後まで楽しんでいただけると幸いです！ (11月30日 21時) (
レス) id: fa6ba2ac8c (このIDを非表示/違反報告)
フレンチクルーラー(プロフ) - やっぱり作品全部好きです。珍しい感じですが楽しみにしてます (11月28日 15時) (レス) @page22 id: c6e205f5c8 (このIDを非表示/違反報告)
春よこーいw(プロフ) - モモさん» お褒めいただきありがとうございます！全くヤバくは無いですよ！まぁ主はそれ以上提言せずニッコリ微笑んでおきますね！これからも頑張らせて頂きますw (11月21日 2時) (レス) id: fa6ba2ac8c (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 作者様特有のあのとても心にくる内容のお話が本当に大好き！絶対こんなこと言ってる私もヤバいと思うけどwこれからも頑張ってください！応援してます！あとちょこちょこ面白いネタがあるのも最高に癖になりますw (11月17日 20時) (レス) @page15 id: bd57c4fe8f (このIDを非表示/違反報告)
春よこーいw(プロフ) - 烏丸さん» いやぁたまにはいつもと違うの書きたいなぁという思いつきで後先考えず書いてるのでこれからの流れとか正直まったく考えてないんですけどこれからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (10月24日 6時) (レス) id: fa6ba2ac8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春よこーいw | 作成日時：2023年9月18日 22時
