【呪術廻戦】腹違いの妹【五条悟】

第8話 ページ10

日差しが眩しくて目が覚める。あの後シャワーを浴びて、食材も無いから食事せずにそのまま寝たんだった。そういえば申請したから今日の朝ごはんは食べれるはず…。

時計を見るとまだ5時半。危険な環境で野宿することが多かったため嫌でも睡眠時間は短くなってしまう。


昨日悟が持ってきた服の中から適当に選んで着る。値札を見ると私の知っている衣服よりゼロが1つ多い。


｢どうやって返せっていうんだよ…。｣


ここでの給料は固定給+任務をこなした際の報酬らしい。そりゃあ世間的に見て高給だが俗に言う闇取引的なことをしてきた私からしたらどうしても報酬の額は少なく感じてしまう。


歯ブラシとタオルを持って共用の洗面所に行くと、昨日のグラウンドで会ったメガネの少女と目が合う。確か名前は禪院真希、恵くんと親族だったな。


｢おはよう、早いんだね？｣


真希｢…おはようございます。五条先生から聞きましたけどここで働くんですね。｣


昨日のことを思うと荒っぽい子かと思っていたが野薔薇さんと違って大人の対応ってやつを分かってるらしい。


真希｢そういえばA先生も五条か…悟先生に変えた方が良いですか？｣


｢ううん大丈夫、私だって五条なんて苗字ほとんど使わなかったから｣


悟はどこまで話したのだろうか、この子はどこまで知っているのだろうか。わざと意味深なことを言って反応を伺う。


真希｢…腹違いの妹さん、なんですよね？｣


ああ、ほとんど知らないんだな。悟は案外ベラベラと話さない大人らしい。


｢そうだけど五条家の汚点だからね〜、母親に隠されるように育てられたよ。でも流石に戸籍は作って欲しかったな、職質されたら一発アウトだよヤバくない？｣


真希さんは髪を結っていた手を止めて黙りこくる。


真希｢A先生は、私と似てるんですね｣


悟に教えられるまで知らなかったが、禪院というのは御三家のひとつで…甚爾さんの旧姓らしい。五条家も大概だけどあそこの思想はまじキモイよ！と悟も言っていた。女と呪力の無い者には人権が無いようなものだという。


｢そうだね、私は生まれた時から五条家に居なかったから…真希さんはよく頑張ったと思うよ。｣


顔を洗って真希さんの方を見ると、泣きそうな顔で歯を磨いていた。


こういう人には柄にも無く優しくしてしまうのは、甚爾さんの影がチラついてしまうからかもしれない。

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