第24話 ページ27
ホテルのロビーに着いて無限を解く。風邪ひかれると困るから有無も言わさずAを入れたけれど、道中刺されないかと正直ヒヤヒヤしていた。
悟｢疲れたしもう部屋戻ろうか｣
｢…そうしよ、明日の昼までどうせ身動き取れないし…｣
Aの顔をちらりと見るとやけに目をそらすし耳が赤い。あんな人生歩んできても異性を意識してしおらしくなれるなんて、可愛いとこもあるじゃん。
勢いで寄せたAの体は当然小さくて、力を入れたら折れてしまいそうな華奢さだった。
近くで見た彼女の大きな青い目と長いまつ毛、真っ白な肌を思い出すと何故か心拍数が上がる。
……
｢じゃあ電気消すよ｣
悟｢え？まってまってまって｣
お互い無言で大浴場に行き、無言でルームサービスの夕飯を食べ、さあ同じベッドで寝るぞ。アイツはどんな反応をするだろうかと思っていた今。
Aは当たり前のようにソファで寝る準備をして照明のリモコンを握っている。
｢何？電気つけて寝る派？｣
悟｢いやそうじゃなくて、こっちで寝なよ｣
一瞬Aの瞳孔が揺れたが、すぐに眉間に皺を寄せる。
悟｢何その顔！！！ソファじゃ疲れ取れないだろ、ほら｣
少し迷っていたが、恐る恐るベッドに乗ってくる。前屈みの姿勢やゆるっとした館内着から覗く肌、同じアメニティの匂いのする髪が正直かなり官能的で、自分から来いと言ったものの目を逸らしてしまう。
離れて寝ようと枕を移動するAを見て、そうだ、コイツを襲うフリをしてからかってやろうと悪戯心が芽生えた。
……というより、自分が少しでも彼女を"そういう目"で見てしまったことに勝手に敗北感を抱いているような気もする。
悟｢おい｣
Aの左手首を掴んで前のめりになり、半分押し倒しているような形になる。ギシ、と軋むベッド。
バチン、
一瞬何が起こったか理解が追いつかなかったが、ピリピリとした左頬の痛みが脳に届き、自分がビンタされた事をわからせられる。
悟｢…痛｣
｢ッ…ご、め…叩くつもりは｣
脳内では腕を掴まれて赤く頬を染めるAを想像していたが、現実は真逆だった。
あれは、恐怖か。
｢本当にごめんなさい。待ってて、今濡れタオルを｣
悟｢いや、いい。今のは冗談でも僕が悪い。もう寝よう｣
Aは青い顔で言われるがまま布団に入った。僕も照明を消して布団に入る。
やらかした。あの様子じゃただ嫌がっただけとは思えない。
マジで最低だ、俺。
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早瀬(プロフ) - ツバメさん» コメントありがとうございます、嬉しいです！ 失われた悟への負の感情は甚爾との再会でどうなってしまうのでしょう、渋谷事変の時に何かあるかもしれませんね… (2021年8月27日 13時) (
レス) id: 9d2a32be79 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - もっともっと更新頑張って下さい楽しみにしてます 夢主のそばから居なくなってしまった甚爾が急に悟と夢主の前に現れたらってイメージしてしまいます (2021年8月27日 13時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - ツバメさん» 嬉しいです、ありがとうございます。特別編面白そうですね…考えてみます、貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年7月28日 23時) (レス) id: 9d2a32be79 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 何だかんだ面白いし案外以外だなとも思います 続編期待してます 出来れば内容的に少し変わっちゃうだろうけど五条と五条妹と妹と一緒にいる甚爾生存編特別編で見れないでしょか (2021年7月24日 0時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬 | 作成日時：2021年6月2日 15時
