第16話 ページ18
クソ、やはり自我の交代が上手くいってない。奥の手として宿儺を使うのはあまりに無謀だったんだ…!
恵くんの腰に血液の糸を巻き付けて引っ張り、後ろに飛ばして糸をそのまま巻き付ける。私だってきっと宿儺を相手したら死ぬ。でも恵くんは磨けば私を越す金の卵。恵くんだけでも生きて帰すのが筋だ。
恵「っ先生!俺だって戦えます!」
宿儺「ほう、自らを犠牲にする気か」
「煩い、私はこの子の教師だ。死んでも守る義務がある。」
昨日今日の間柄で、ここまで生徒に入れ込むのが自分でも不思議だった。気づいたら体が動いている。
宿儺「つまらんな。数日前まで邪魔なら殺すと呪いのようなことを言うていた癖に…次は呪術師の真似事か。」
「はっ、私が呪術師側に着いて何が気に入らねえんだか、寂しいならそう言えよ可愛くねえな」
恵「(こういう所五条先生に似てんだよな)」
宿儺「…不愉快だ。死ね」
極限に鋭くした波のようなものが顔に迫って来たが、間一髪で避ける。完全には避けきれず頬に当たり、ダバダバと血が流れてきた。あー、貴重な血液なのに。
「…血弾」
頬から滴り落ちた血液を銃弾のようにし、宿儺に乱射する。流れ出た血液が全て飛んだところで反転術式を施し傷を塞いだ。
宿儺「機嫌が良かった故少し話でもしようと思っていたが、今のお前は気に入らん。変わってしまった。」
「あっそ、勝手に片思いしといてジャッジしてんじゃねーよ懐古厨。いいから早く交代しろ」
宿儺「…チッ、小娘の癖に指図するでない。…小僧なら暫く出てこないぞ?残念だったな」
交代するまでどのぐらい掛かるかも予測できず、作戦の立てようがない。宿儺の注意が恵くんに向く前に、時間稼ぎで私が戦うしか無さそうだ。…時間稼ぎになるかも分からないが。
宿儺「…あぁ、そうだ。お前らを殺す前に小僧に変わってしまっては意味が無い。そこで…」
ズブ、と自身の胸に腕を突き刺し、心臓を引きちぎる。時間稼ぎ以前に私達2人が死ぬまで代われないようにするつもりだ…!
宿儺「小僧を人質にする。さぁどうする?精々小僧が自力で出てくるまでダラダラと戦う等と考えていただろうが、考えが甘いな。」
こちらの考えもお見通しか……今の時点でどう転んでも生存ルートは無い。
「ハッ、詰みだな。」
恵「っ先生…」
「…でも、どうしてだろうな?お前とは、戦わなきゃいけない気がするんだ」
やはり、私はここに来て変わった。
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早瀬(プロフ) - ツバメさん» コメントありがとうございます、嬉しいです! 失われた悟への負の感情は甚爾との再会でどうなってしまうのでしょう、渋谷事変の時に何かあるかもしれませんね… (2021年8月27日 13時) (レス) id: 9d2a32be79 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - もっともっと更新頑張って下さい楽しみにしてます 夢主のそばから居なくなってしまった甚爾が急に悟と夢主の前に現れたらってイメージしてしまいます (2021年8月27日 13時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - ツバメさん» 嬉しいです、ありがとうございます。特別編面白そうですね…考えてみます、貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年7月28日 23時) (レス) id: 9d2a32be79 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 何だかんだ面白いし案外以外だなとも思います 続編期待してます 出来れば内容的に少し変わっちゃうだろうけど五条と五条妹と妹と一緒にいる甚爾生存編特別編で見れないでしょか (2021年7月24日 0時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早瀬 | 作成日時:2021年6月2日 15時