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「……ほーん?」
デスクに頬杖をついて、兄者さんはニヤリと目を細める。対してはくはくと口を開けるばかりの私。もう頭真っ白。
ガタッと勢いよく立ち上がれば椅子が倒れた。
「ちが、違くて!これは!」
「俺なんも言ってねえけど。何がどう違うワケ?」
「こ、これは、今晩すき焼きとかどうですかって!なんか!そんな感じで!」
「ああ、そうなんだ。じゃ続き書いて」
椅子を直して私を座らせながら、兄者さんはニッコリと爽やかな笑みを私に向ける。
バレた、バレた。バレてしまった。それもこんな形で。
あまりの恥ずかしさに鼻の奥がツンと痛んで、じわりと涙が滲む。
「高橋」
震える手で文字を打とうとすれば、ぐに、と真っ赤になったほっぺたをつままれた。
「やっぱ今日飲むのやめるか」
「……」
兄者さんの顔を見ることができない。
そうだよね、引かれたよね。
じわじわとこぼれそうになる涙をこっそりと拭う。
ひくつく喉で何とか返事をすれば、「ごめんな」と優しい声を掛けてくれる彼。謝らないでください、私が悪いんです。ふるふると首を横に振ると、兄者さんが腰を上げた。
さっきまであんなに舞い上がってた自分がバカみたい。
ぎゅっとタイトスカートを握ってうつむいていると、ふいに落ちてくる人影。
びっくりして顔を上げたら、ほっぺたに柔らかくキスをされた。
「…へ」
「悪りぃけど、今日はドライブデートに変更で」
「えっ、…ええ!?で、ででデート!?」
「なに。不満?」
くいっと私の顎をすくって、愛おしいと言わんばかりに優しく細まる青い瞳。
どんどん近づいてくる端正な顔立ちとアダルティな色気にぼーっとしていた私は、慌ててその唇に指を押し付けた。
「ちょ…ちょっと待って!どういうこと…!?」
「どういうって…」
「ひゃあっ!」
不満げに眉をひそめた兄者さんは、私の手首をするりと掴むと、手のひらにそっと唇を寄せた。湿った感触に、思わず上擦った悲鳴を上げてしまう。
イタズラに笑う青い瞳が、指の間でギラリと光った。
「俺が高橋を好きってことだけど。お前は?」
返事は間違えんなよ、とディスプレイを叩く彼。
終始ぽかんと口を開けるばかりだった私は、やっとのことでぶんぶん頷くと、ぎこちなくキーボードに指を置くのだった。
こんにちは水曜日
(兄者さんしゅき♡)
(気味悪りぃ書き方すんな)
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はやさか(プロフ) - へーすけさん» 初めまして!そして、返信が一年ぶりという非礼を詫びさせてください…orz 素敵なんて言っていただいたの初めてでとっても嬉しいです〜!ありがとうございます! (2020年12月18日 21時) (レス) id: bd75fcb4fa (このIDを非表示/違反報告)
へーすけ - 初めまして、へーすけと申します。はやさかさんの素敵な夢小説を読ませていただきました。誠に勝手ながらこっそりと応援しています。 (2019年7月22日 21時) (レス) id: 53845ff19b (このIDを非表示/違反報告)
はやさか(プロフ) - みぃさん» 返信遅くてすみません!!私も語彙力と文章力の無さに日々悩まされております……ありがとうございます、またみぃさんの作品も拝見させていただきますね! (2019年6月24日 16時) (レス) id: bd75fcb4fa (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - はやさかさん» 返信ありがとうございます!!私も色々書いておりますが語彙力が無さすぎて汗これからも頑張ってください!! (2019年1月6日 0時) (レス) id: f861e836fe (このIDを非表示/違反報告)
はやさか(プロフ) - みぃまさん» 遅くなってしまい御免なさい!有難うございます、この一年ろくに書けなかったので今年は沢山書きたいです! (2018年12月29日 10時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はやさか | 作成日時:2018年3月29日 22時