【HQ】兄弟不平等理論【男主】

# nine ページ11

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『合宿、か…』



ざわつく体育館でため息をつく

怠惰の象徴とも言えるため息は、誰にも気付かれずにざわめきの中に消えていく




ついさっきのミーティングで、監督からはレギュラーメンバーは合宿があると告げられた

いつもとは違う、他の高校との合同合宿だ


参加するのは、
梟谷、音駒、青葉城西、それと……"烏野"


アイツと1週間も屋根の下とか考えたくない



俺と若利さんは、選抜の練習があるから1日目の夜からの参加だけど




…ほんといいよな、
みんなからしたら普通の合宿だもんな。



でも俺からしたら______




『はぁ…』




憂鬱で仕方がない。


まあ、あいつらにも会えるからそれはそれで嬉しいが

やっぱり憂鬱だ


いっそのことサボろうかな…とか思ってみるけど、そんなことをしてしまうとレギュラー落ちは免れない

それだけは勘弁だ



『やっぱり、我慢するしかないな。』

「…あんまり無理はすんなよ？」

『うぉわｯ……び、びっくりした…』



いつの間にか横にいた太一

なんだかんだで心配だったのか、合宿発表があってから俺のことを気にしていたらしい


…良いやつをチームメイトに持ったな、俺



「お前の周りにはみんないるんだから、そんなに気負うことはねぇって。辛いなら辛い、それでいいだろ？」

『…あぁ、そうだな』

「んじゃ、居残り練するか」

『だな。』




少しだけ、曇っていた心が晴れた気がした。

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