第84話 ページ48
※流血表現、その他あり。注意です。
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「 ぶっwあはははははww 」
「 完璧な天嶺くんなら避けれるんじゃないのぉ?www 」
「 どーせ、『俺なにもしなくても完璧だから』とかカッコつけんだろ?www 」
朝から煩い。憂鬱だ。
教室に入った瞬間、頭上に降ってきた水。
お陰で制服はべちょべちょ。
生憎持ってきてた体操服もずぶ濡れ。
前はアイツらが言ってたみたいに、完璧だからって言ってた。
でも今じゃそれもめんどくさい。
「 おい、なんか言ってみろよ 」
ドガッ
「 っかは!! 」
一瞬の出来事だった。
俺は教室の扉から廊下に蹴り飛ばされた。
「 うっ……っ、あ!?いっ……! 」
打ち所が悪かったみたいだ。
上手く立ち上がれない。
「 どうした、どうした。完璧なんだろ?何もかも。喧嘩だって見りゃできんだろ?www 」
「 くそ……っ 」
唯一出来ないこと、出来なくもないけどしないこと。
それが喧嘩。
まぁ理由は後ほど。
今までこんなことなかったのに。どうして?
クラスの奴らに髪の毛を捕まれて顔を上げさせられる。
「 っ…… 」
「 そろそろうんざりしてきたんだよ。まぁ前からしてたんだけどな。
完璧に出来る天嶺くん。……俺らのこと馬鹿にしてんのか? 」
「 ちがっ……!ただ出来てしまうだけで……っ!ぁ…… 」
また蹴られた。鳩尾。最悪。
「 はっ……っ、ぁ……ぁぅ……てめぇ…… 」
「 そういうの要らねぇんだよ。完璧なら学校も来なくていいだろ?誰もお前になんか期待してねぇよ。自分の才能自慢しに来てんのか? 」
まさかそこまで思われてるとは思わなかった。
批判は多かった、仲間はずれにされた。
そんなのは気にしない。
けど、けど、、、誰にも期待されてないのか?
多少は何でも出来る俺に頼ってると思ってた。
いい道具だと思われてもいい。それでも、それでも!と思っていた。
初めて感じた絶望。
「 お前は道具にしても用済み、もう要らないんだよ(笑 」
と同時に何人かのクラスメイトが俺を床に押さえつける。
「 お前ら……!やめ、っあぁ!!! 」
喧嘩なんて日常茶飯事のこの学校で教師が止めに来ることなんてない。
俺なんか相談しても流されるだけ。
誰も信用してなかった。
けど、今は違った。
乱れていく髪に制服。
どんどん流れ出す赤い液体。
薄れ行く意識の中で、俺は初めて___
「 だ……か、……っ……た、す……ぇ……て………… 」
助けを求めた。
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そあた(プロフ) - 絢☆さん» とても嬉しいです!ありがとうございます!!! (2018年3月7日 7時) (レス) id: c208887135 (このIDを非表示/違反報告)
絢☆ - いつも楽しく読ませてもらっています!自分の中でこの作品は名作と勝手ながら思っています!これからも頑張ってください! (2018年2月17日 3時) (レス) id: 12fca75d2a (このIDを非表示/違反報告)
そあた(プロフ) - 悪魔黒猫さん» ありがとうございます〜!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: c208887135 (このIDを非表示/違反報告)
悪魔黒猫 - すごい面白いし、読んでいて楽しいです!更新頑張ってください! (2017年7月17日 16時) (レス) id: d4e13feb15 (このIDを非表示/違反報告)
そあた(プロフ) - 小学博士ナノです〜〜!さん» 嬉しいです!! (2017年6月26日 22時) (レス) id: c208887135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そあた | 作成日時:2017年5月22日 20時