【テニスの王子様】貴 女 と 彼 の ひ と と き 。【短編集】

特別【財前光】 ページ14

財前光side

今日Aが先輩らと遊びに行くらしい

昨日部活後に謙也さんが自慢してきたからな

……俺かてAと遊びたいのに…

てことで、いまAに後ろから抱きついて邪魔しよる

財｢A〜…｣

貴｢なんや光〜、さっきからうっとおしいで、いい加減離れや｣

財｢なんで離れなあかんのや、離れたない｣

貴｢今夏やで？いい加減暑いわ｣

離れたないけど

たしかに暑い…

でもやっぱり離れたない

財｢A〜、めっちゃ好き…｣

貴｢へーへー、そりゃどーもー｣

またや…また、軽く受け流された

俺は恋愛感情でAのことが好きやのに

毎回冗談とか、幼なじみとして好きやと思われとる…

財｢…冗談やないでー？｣

貴｢そりゃ嬉しいわ〜、さ、そろそろ離れや｣

財｢いやや｣

貴｢そんなわがまま言われても私これから家出なあかんのや、ほら、離れて｣

知っとる

Aは約束の時間の10分前には

待ち合わせ場所に着くように気つけとんぐらい知っとる

せやけど…好きな人が自分以外と遊ぶとか…


いややん？



財｢どこ行くん？｣

貴｢ひみつ｣

なんで、言うてくれんや…

そんなにAは俺がいやか？

財｢じゃあ離したらん｣

貴｢はぁ…そんなん光には関係ないやん、いい加減姉離れしぃや｣

財｢姉ってなんやねん、俺Aのこと姉とか思っとらんわ｣

貴｢はいはい、はよ離して｣

財｢いややって｣

貴｢ほな明日からもう光と登下校せんわ｣

財｢は！？なんでそうなるん！？意味わからん！いややし！！！｣
Aは優しいから

これが、嘘やってことぐらいわかっとる

でも、本当だったら

冗談やなかったら

なんて思うとやっぱ焦るわ…

貴｢…ほな離して｣

そろそろ離さな…怒られるな…

財｢……わかった…はよ帰ってきてな｣

貴｢わかったわかった、ほないってきます〜｣

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