花、そして散る*5

24*Shinnosuke ページ24

どーも。



内海より、選手交代受けました。
阿部慎之介です。初めまして、じゃないよな？









内海は、すぐ自分の話にそれちゃうからね。
自分の話は面白いんだけど。


今、それ求めてないからね。






ズムサタででも発揮してくださいな。









今より、内海が言いたかったことの代弁を始めまーす。







今日、試合前の練習の時。



勇人の元気がない原因を特定した俺らは、勇人をひっ連れてロッカールームへと向かった。






誰もいないロッカールーム。


２対１で椅子に腰かける。三者面談みたい。
目の前の勇人を内海と一緒に見つめる。





寝れてないのかな？

くまが出てきている、目。目線もずっと下のまま。いつもは上向いてんのにな。









内海「なぁ、勇人。Aちゃんとこのままは嫌やろ？ 」

『そりゃあ、もちろん』

内海「今日、勝つから。［花］で二人っきりにしてやるから、ちゃんと話しや」

『…はい』






いかにも、頼りになる先輩って感じ。

“感じ”だよ、頼りになる“感じ”。頼りになるとは言ってないから、注意ね。全然頼りになんなくても知りませーん。




自分で話してたら、“俺、頼りになるやろ”って言いそうで怖い。









さすが選手会長ってことにしとこ。









まぁ、そんなエースの助言と、ナイスピッチングもあって、無事勝つことができた。



俺も、勇人には早く元気になって欲しいから、頑張った。ちなみに、ホームラン打ったりもした。

俺の自慢は、これだけね。
内海みたいに自慢ばっかしないから。







話してた通り、勇人をカウンターに１人残す。



残りのメンバーには、説明してちょっと静かに見守ってもらうつもりだったけど、言わなくても分かってくれたみたい。

優秀な後輩で本当に助かる。







ただ、二人。


戸の隙間から覗き込むという、趣味悪ーいことしてたやつがいたけど。









他のみんなも酒を片手に盗み聞き。




そりゃね。しちゃうよね。


俺もしたもん。盗み聞き。





いや、勇人の声がでかくて聞こえただけだ。









そんだけ聞く耳立ててたんだから、静かになったら直ぐに気づく。




覗いてたやつは、全てを見ていた訳で……









その後のことは、




“勇人にお説教くらってた”って言えば分かるだろうか。









とにかく、二人が元通りになっただけで良いんだけどね。

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