逢魔時には気をつけて【wrwrd 】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:2,732 hit

三怪目ページ3

『アイツ…？』

僕はロボロの言うアイツが分からずに聞き返した。

「あぁ、妖怪同士で色々あって、俺以外の妖怪の皆が暴走してしまってん…！！」

何そのよくアニメとかでありそうな展開…。

僕はそんな事を思いながらもロボロの話を聞く。

「実は…俺と同じ妖怪…獏であるグルッペンって奴がおるんやけどな…」

ロボロの話を要約するとこうだ。

獏という妖怪であるグルッペンという奴がある日、興味本位で悪夢わ食べずにその悪夢にある恐怖、嫉妬などの負の感情を他の妖怪達に与えたところ暴走したらしい。

ロボロはその負の感情を受け取らなかったため暴走しなかったのだとか。

何してんだよグルッペンって奴。

『そうなんだ…そのグルッペンって奴が悪いじゃん。』

「そうやねん…。まぁ他の妖怪のみんなも負の感情を受け取ったのが悪いんやけど…。とりあえず、助けてくれへん？」

本当は断りたかったけれど、ここまで聞くともう断れない。

『…分かった。どうやって助けたらいいのかは分からないけど…。』

お人好しが発動して、つい承諾してしまった。

「やった！！ほんまありがとうな！！」

まぁ…いいか。

『で、僕は何をしたらいいの？』

「Aが持ってるそのお札を妖怪に貼り付けてほしいねん。」

『分かった。妖怪が現れたら貼ればええんやね。』

僕は財布から再びお札を取り出した。

「とりあえずソイツが現れるまでは待機やな。しばらく話しようや。」

ロボロがまた道に座って僕に声をかける。

僕はロボロの横にしゃがんだ。

『ね、聞いていい？』

「ん？ええで。」

僕はロボロにずっと疑問に思っていた事を聞いた。

『ロボロってなんの妖怪なの？』

「ははwそんな事かいなw」

ロボロに笑われているが、誰でも気になるだろう。

グルッペンという奴は獏という妖怪だが、ロボロは一体なんなのだろうか。

「俺は一寸法師やで。」

『…え、一寸法師…？一寸法師ってあのおとぎ話の…？』

「せやで。一寸法師ってのはある書では妖怪とも言われてるって知らん？」

『知らなかった…。』

スマホで調べてみると、狂歌百鬼夜狂という物では一寸法師も妖怪の一種だと扱われているらしい。

『でもロボロは一寸じゃないんだね。』

「一寸なわけあるか！！」

そんなくだらない話をしていると、ビュウッと強めの風が吹いた。

なにか濡れた感覚があったので腕を見ると、そこには切り傷があった。