超特急と (ページ6)

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⑥ Re ：１ページ6

『僕と別れて欲しい』

『…僕には無理だった。
仕事との両立も、うまく出来なくて』

『…ごめんね』

涙を堪え出ていった佑亮の家を一瞥する。

暗闇の中に吸い込まれた
そのドアを開くことはもうきっと無いんだろう。

｢…意味わかんないよ…………｣

何も言えなかった不満をポツリと言葉にしたら
とめどなく零れて止まらぬ大粒の涙。

幸せだったのは私だけだった？

隠れた恋愛に嫌気が差すことなんて無かった。
それよりもあなたが私にくれる笑顔の方が
100倍も、200倍も大切で堪らなかった。

困難を乗り越え2人が過ごした1年とちょっとは
こんなにも一瞬で崩れ去ってしまうのか。

私は大好きだった。
佑亮の声も腕も香りも全部。
全てが消えてしまった。

終わって、しまった。

涙を拭い、私は深呼吸をする。

ここから、新しく始めよう。

彼との思い出を胸に、私も歩きだそう。

だから大丈夫。

さようなら。