王者の重圧 １

言うことをきかない身体 ページ25

痺れてるというか、軽く痙攣してるというか…

冷えているのかと思い、手でさすろうとして気づく。

手も痺れている。

なんか…部屋で倒れた時みたいだ。

頭もぐるぐるしてきて、とりあえず静かに下を向いた。

どうしよう。どうしよう…。

「医務室行こ。」

「……大丈夫っす。」

「かなり具合悪いだろ、見てたら分かる。」

「……っ」

ーーーーー
⚫森福

マウンドに行った時から、翔太の異変には気がついていた。

目や表情から、具合が良くないのが分かる。

ベンチに帰ると大人しく座っていた。

翔太と話していたいまみーに声をかけた。

「俺も元気ないと思ったんです。暑さでやられてちょっとしんどいみたいですね…」

「だよな…ありがと。俺も様子みとく。」

「大丈夫だと良いんですけどね。まぁ俺も体調悪くて…でも延長覚悟です(^_^;)」

「無理すんなよ…？ 」

「ありがとーございます！だいぶ慣れてきました(笑)」

翔太の様子が明らかにおかしい。

寒気がするのか、手脚をさすっている上に顔色が悪く、辛そうに下を向いている。

「かなり具合悪いだろ、見てたら分かる。」

「……っ」

翔太が手で口を覆った。

「おいおい、もーっ…」

脇の下から手を入れて持ち上げるようにして、翔太をベンチ裏に連れて行った。

すぐにトイレに連れて行き、背中をさすりながら、落ち着くまで吐かせた。

「ぶり返したかなぁ…しんどいなぁ。大丈夫か？」

「すみません……すみません……」

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