王者の重圧 １

続く接戦 ページ23

7回はお互いに連打で得点し、5-5の同点になってしまった。

この頃から、確かな違和感を感じていた。

「………はぁ。」

頭痛がぶり返してる…。

薬でひたすら誤魔化しているだけで、ほんとは投げられる程には復調してなかったのかもしれない。

あー…体調悪くなるならせめて試合終わってホテルに帰ってからにしてくれよ…
もう少しもってくれ俺の身体……まだ試合中…

ま、これぐらい大丈夫でしょ…

前みたいに、頭が割れるような痛さという程ではない。


「翔太、体調大丈夫だった？」

「いまみーさん…体調の方は大丈夫ですよ！」

「大丈夫。数日前あの状態からの病み上がりにしては充分だったよ、ピッチング。」

「いや…6回の流れを止められなくて情けないです。」

「ん？やっぱなんか元気ないよな…血の気が引いたみたいな顔色してる。」

「ちょっと暑さが堪えましたね。(笑)
少し頭痛が(^_^;)」

「ちゃんと水分と塩分補給しろよ(´･_･`)？」

「ちゃんとスポーツドリンク飲んでます(＾＿＾)
ここは陰で涼しいですし、暫く座ってたら治りますよ(￣▽￣)」

「ん。まぁ病み上がりだから心配なんだけど、大丈夫なら良かった！ 大人しく見とけな〜。」

そんなに疲れた顔してるかなぁ、俺。(笑)

監督にも、「病み上がりにしてはなんとか試合作れてたな、ありがとう。森福にも感謝しなきゃな。」と優しく言われた。

あまり目を合わせてくれない。
ほんとはもっと言いたいことあるはずだけど…これが今の限界であることを分かってくれてるのだろう。

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