愛されてるみたいです、僕 2nd (ページ2)

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切り替える。ページ2

柳田「お前の眼は悪くないよ。俺も正直2球目より外だし、外れたと思った。まぁ遠くからだからわからんけどな。でもネクストにいたこんちゃんも言ってたから。気になるだろうけど今はとりあえず切り替えろ」

「はい。ありがとうございます」

守備位置につく。

僕はあまり見逃し三振をしないタイプ。

打てそうにないなと思ってもとりあえず振っちゃう。

だから、空振り三振はあっても、タイミングを完全にずらされて振れなかった見逃し以外の、コース際の見逃しはほぼほぼない。

少しずつの積み重ねで自信になってきてた自分の選球眼。

もやもやが残る。

あれを、ボールにとられるのなら、もうちょっと外側のボールにも手を出さなければ。

なーんて考えながらボール回しをしていると。

(優弥ｧｧｧｧ！お前チャンスで見逃すなよ！振れよｫｫｫ！)

(チャンス潰したぶんしっかり守備しろよｫｫｫ！)

(守備で取り返せよｫｫｫ)

(香坂しっかりしろｫｫｫ！)

いつも以上に鮮明に聞こえるヤジ。

キツいことを言っているようで、事実を言われているだけ。

喝を入れられたおかげで気持ちも少しは切り替えられて。

ヤジを言った人たちはそんなつもりじゃなくて単純に批判したかっただけなのかもしれないけど。

今の僕にはいい薬だった。

ヤジが聞こえるホークスサイドの外野席に向かって、帽子のつばをつまんで軽く礼をした。