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目が覚めてもあの泥のように纏わり付く視線が自分に向けられている気がしてAは酷く吐き気を催した。
吐き気、頭痛と来て熱を測れば発熱までしていて日々の疲れが夜のあの出来事で防波堤が打ち破られたようにどっと溢れ出たのかもしれない。
すぐにアルバイト先であるコンビニに電話をすると、日々労働に励んできたからか休みを貰うのは容易かった。
時刻は昼過ぎ。
風邪の自分が口に出来そうなものは冷蔵庫には無かったのでアルバイト先ではない、また別のコンビニへ行こうと軽く身支度を始めた。
最初からアルバイトで生活費を稼いでいた訳では無い。
元は割と大手の上流企業で事務をしていた、そこそこ良い暮らしの出来るOLだった。
しかしそれがいつの間にか歯車が歪み初めた様に自分に対して周りが冷たくなり、扱いも雑になってきた。
女性の先輩達のクスクスとした笑い声が目の片隅に映ることもあった。
それはただの新人いびりだったのかもしれない。
少しだけ部長と仲が良かったから。自分なりに周りを円滑にしようと頑張ったから。それがただ目に付いて気に食わなかっただけなのかもしれない。
それでもAはこの時の傷跡を一生背負う事になる。
日に日に暖かかった目は冷めて行く気がして、自分の話題では無いはずの笑い声までが自分への嘲笑に聞こえる。
そんな生活が丸一年続いた頃、デスクに積み上がる押し付けられた資料の海に溺れるようにAは倒れた。
過労だった。
やる気のないコンビニ店員の声を聞いて心の中で「お疲れ様です」「面倒だよね、分かるよ」と呟く。
それからすぐに会社を辞めて、今見た店員の様に毎日深夜勤務をして生活費を稼いでいる。
ビシッとスーツを着こなしてフラペチーノ片手にノートPCを叩く生活よりか自分に合っていた。
それに周りの人達は皆優しい。それが何より安心出来るし、自分の傷の痛みを和らげられる気がした。
だから
『……またポスト荒らされてる』
こんな風にストーカーに日常生活を妨げられるのは御免なのだ。
Aは溜息をつきながら自分のポストから少しシワのよった手紙たちを掻き出した。
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なみの。 - 壊れちゃった主人公ちゃんのふわふわした喋り方好きです・・・！とっても面白かったです。 (10月17日 23時) (
レス) @page48 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
霜はっぱ - 完結おめでとうございます!衝撃の最後!!びっくりしまった。流石です(^^)こういうのいっぱい欲しいです!でもあなたの作品はあなたが操るべきなのでご自身の思うがままに書いてくださいね!ほんとにお疲れ様でした!! (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
草の管理人 - 終わってしまったあああ!!!だがおめでとうございます!!言うのが遅れて申し訳無いです。想像の遥か上を行く最後で口が開いてしまいましたwほんとにお疲れ様でした!わがままですがこれからも病んでる作品いっぱい欲しいです…w (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - るなさん» え〜！？いつもありがとうございます！本当に書いているだけでこちらも体力を削がれるものだったので魂を削って書いた甲斐がありました。そのお言葉大切にします！私もこの作品とてもお気に入りなので愛してやって下さい！最後までありがとうございました！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 千景さん» 心に刺さるなんてそんな！もったいないお言葉ありがとうございます！重苦しすぎるヤンデレはこれからも書くと思うのでその時はまたよろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2020年6月1日 0時
