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とてつもない深い眠りについていたことをAは目が覚めた時に瞳も開けぬまま実感した。
まるで生暖かい沼から無理矢理頭を掴まれて引き摺り出される様な感覚だった。
確かに生暖かい沼なんて気持ち悪い心地なのだが、もう浸かって意識を飛ばしていたんだからそのままにしておいて欲しいような、そんな感覚。
引き摺り出されたお陰で頭は酷い鈍痛を訴え掛けてきて、思わず顔を歪めた。
目も長く瞼を閉じたままだったせいか、乾いて痛くて開けられない。
こんな不愉快な目覚めは初めてだった。
なんとかAは数回小さく瞬きをして。眉間に皺を寄せながら目を開けてみる。
目を細めて見ていても、明らかに自分の部屋とは風景が違うので鈍った思考を何とか働かせてしっかりと見てみる。
『っな…！！…………なに、これ』
その部屋には壁という壁、全てに自分自身の身に覚えの無い写真が一面に張り巡らされていて。恐怖のあまりAは悲鳴すら喉元で詰まってしまった。
起き上がろうと手を動かそうとしたが左手首とベットとを手錠で繋がれて思うように動かず、足も両足首をしっかりと縄か何かで固定されてびくともしなかった。
『な、なに、な…なにこ、れ…やだ、やだ……』
あまりの不可解な現象に着いていけず、Aはパニック状態になり、吃りながらもそうか細い声で悲鳴の代わりに言葉を呟いた。
もぞもぞと動いているうちに右の方にいる何かにぶつかり、震えながら寝ている体制を変えてそちらに目を向ける。
そこには紛れもない寝ているキヨの姿があり、一瞬二人して誘拐されたのかとも考えたが、そこですぐに昨夜コーヒーを飲まされて無理矢理眠らされた事を思い出した。
きっとコーヒーの中に入っていたのはとてつもなく強力な睡眠薬か何かで、それによって自分は眠らされたのだ。
それに、確かあの時睡眠薬の効果を知ったような事を言っていたので薬は彼の物であったのかもしれない。
まずい事に巻き込まれた。それも、最悪の人間の手で。
あの人を手にかけた人間に誘拐されるなんて、自分が情けなくて仕方がなかった。
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なみの。 - 壊れちゃった主人公ちゃんのふわふわした喋り方好きです・・・！とっても面白かったです。 (10月17日 23時) (
レス) @page48 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
霜はっぱ - 完結おめでとうございます!衝撃の最後!!びっくりしまった。流石です(^^)こういうのいっぱい欲しいです!でもあなたの作品はあなたが操るべきなのでご自身の思うがままに書いてくださいね!ほんとにお疲れ様でした!! (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
草の管理人 - 終わってしまったあああ!!!だがおめでとうございます!!言うのが遅れて申し訳無いです。想像の遥か上を行く最後で口が開いてしまいましたwほんとにお疲れ様でした!わがままですがこれからも病んでる作品いっぱい欲しいです…w (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - るなさん» え〜！？いつもありがとうございます！本当に書いているだけでこちらも体力を削がれるものだったので魂を削って書いた甲斐がありました。そのお言葉大切にします！私もこの作品とてもお気に入りなので愛してやって下さい！最後までありがとうございました！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 千景さん» 心に刺さるなんてそんな！もったいないお言葉ありがとうございます！重苦しすぎるヤンデレはこれからも書くと思うのでその時はまたよろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2020年6月1日 0時
