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力の入っていないキヨから時折道を聞きつつ、Aはなんとか彼の家まで辿り着いた。
彼の住むというマンションを見上げてAは圧巻という顔で口を開いていた。
そこはAの家の目と鼻の先にある、しかしAの質素なアパートとはうって変わり金持ちの住んでいそうなタワーマンションであった。
夜勤ってそんなに儲かるものだっけとAは考えつつ、言われた通りの号室にエレベーターで上がり鍵を借りて足を踏み入れた。
流石タワーマンションと言うべきか、エレベーターからその凄さは薄々感じていたが部屋に入るとまたその広さにびっくりしてしまった。
『キヨさん…寝室ってどのお部屋ですか？』
玄関から見ても数個ある扉にどれが寝室か分からず問いただすと、それまで具合の悪そうだった彼が急に覚醒したかのようにピンと背を張って自分の部屋を見回していた。
何か驚くことでもあったのかとAがキヨを不思議そうに見ていると、明らかに動揺していたキヨと目が合う。
「……いや、ここまでで大丈夫だから」
『だめです。絶対キヨさん自炊しないでしょうし、これ以上体調を壊されても困るので…』
「困る…？……何で？」
ふと出た言葉にキヨが引っかかった様でAにずいと迫る。
「俺が体調悪いとAちゃん、困んの？」
『いや、えっと、』
そんな深い意味を持って言った発言では無いのにキヨがあまりにも詳しく聞きたそうにしているのでAは何だか恥ずかしくなって身を引く。
そこに迫ったキヨが体調を崩していることもあって力が入らず、Aの後ろの壁にとんと手をついた。
「嬉しい、ありがとう」
それだけを耳元で囁くとさぞ幸せとでも言うような顔でキヨは靴を脱いで先に部屋へと上がってしまった。
「寝室汚いからリビングに布団持ってくるよ。後で入って欲しくない部屋も教えるね」
そう言ってふらついた足取りで彼はリビングの方へ行ってしまった。
俗に言う壁ドンをされた時、彼の表情は熱っぽかった為か妙に色っぽくて、艶やかで、あの人にそんな顔で迫られたらほとんどの女性はイチコロなのではないか。
と、Aは囁かれた耳を押さえて真っ赤な顔でそんな事をぐるぐると考えていた。
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なみの。 - 壊れちゃった主人公ちゃんのふわふわした喋り方好きです・・・！とっても面白かったです。 (10月17日 23時) (
レス) @page48 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
霜はっぱ - 完結おめでとうございます!衝撃の最後!!びっくりしまった。流石です(^^)こういうのいっぱい欲しいです!でもあなたの作品はあなたが操るべきなのでご自身の思うがままに書いてくださいね!ほんとにお疲れ様でした!! (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
草の管理人 - 終わってしまったあああ!!!だがおめでとうございます!!言うのが遅れて申し訳無いです。想像の遥か上を行く最後で口が開いてしまいましたwほんとにお疲れ様でした!わがままですがこれからも病んでる作品いっぱい欲しいです…w (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - るなさん» え〜！？いつもありがとうございます！本当に書いているだけでこちらも体力を削がれるものだったので魂を削って書いた甲斐がありました。そのお言葉大切にします！私もこの作品とてもお気に入りなので愛してやって下さい！最後までありがとうございました！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 千景さん» 心に刺さるなんてそんな！もったいないお言葉ありがとうございます！重苦しすぎるヤンデレはこれからも書くと思うのでその時はまたよろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2020年6月1日 0時
