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『お待たせしました』
どれだけ怪しい人物であっても人を待たせていることに変わりは無いのでAは足早にキヨに駆け寄った。
遠目で見ても、そしてこうして近くで見ても相変わらずモデル体型で、今のようにスマホをいじって人を待つときですら絵になるような男だった。
「お疲れ様。じゃあ帰ろうか」
そう言ってスマホをしまい、優しくAに微笑みかけるがAの表情は変わらず怪訝そうだった。
しかし、そんなことを気にする様子もなくキヨはニコニコと、まるで傍から見れば好青年のようにAの足を進めた方向へ同じように足を向けた。
『…ずっと気になってたんですけど、どうして私の両親とあんなに親しいんですか』
朝日はすぐそこであるのに、まるで二度と太陽を見ることがないかのように暗い夜道の中Aはそう口を開いた。
「たまたまAちゃんのお母さんが道端で顔色悪そうにしてて介抱したのがきっかけだったかなあ。後は成り行きだよ」
その言動は嘘をついているようには聞こえず、Aもそれ以上介入することが出来ないような気がして「そうですか」と端的な相槌を打つだけだった。
Aの両親も確かにそんなことを言っていた。沢山助けられて、深い繋がりになったと。
もしかしたら本当に自分の考え過ぎで、何の罪も無い彼によくない濡れ衣ばかり着させているのではないかとAは予期したが、兎にも角にもそんな不安を上回る不穏さがこの男から溢れていることは確かだった。
「Aちゃんの気持ちも分からなくないよ。いきなり両親と知りもしない男が仲良さげだったらびっくりするよね」
『…え？』
キヨはAの方に顔を向けずに、目前の暗闇を見つめながらそう語り掛けた。
「不安にさせちゃったよね、色々」
そう言われてふとストーカーが頭によぎる。
いや、考えすぎだ。
Aは自分の中で巻き起こった彼への行き過ぎた疑いを煙を払うように除けた。同情し、心配してくれているだけだ。ただこんな時だから目に入る人全てを勘ぐってしまう癖がついてしまった。
そう自分のなかで出来事を咀嚼するとAも先程より幾分か解れた表情で会話を続けた。
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なみの。 - 壊れちゃった主人公ちゃんのふわふわした喋り方好きです・・・！とっても面白かったです。 (10月17日 23時) (
レス) @page48 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
霜はっぱ - 完結おめでとうございます!衝撃の最後!!びっくりしまった。流石です(^^)こういうのいっぱい欲しいです!でもあなたの作品はあなたが操るべきなのでご自身の思うがままに書いてくださいね!ほんとにお疲れ様でした!! (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
草の管理人 - 終わってしまったあああ!!!だがおめでとうございます!!言うのが遅れて申し訳無いです。想像の遥か上を行く最後で口が開いてしまいましたwほんとにお疲れ様でした!わがままですがこれからも病んでる作品いっぱい欲しいです…w (2020年9月23日 23時) (レス) id: 03879a5800 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - るなさん» え〜！？いつもありがとうございます！本当に書いているだけでこちらも体力を削がれるものだったので魂を削って書いた甲斐がありました。そのお言葉大切にします！私もこの作品とてもお気に入りなので愛してやって下さい！最後までありがとうございました！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 千景さん» 心に刺さるなんてそんな！もったいないお言葉ありがとうございます！重苦しすぎるヤンデレはこれからも書くと思うのでその時はまたよろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2020年9月22日 2時) (レス) id: ade8825d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2020年6月1日 0時
