三十六話【屈辱】 ページ41
キヨside
はぁと息を吐く
これでも俺は沢山の緊張の場面を乗り越えて来たのだ。
それでもこの文字には流石に気が引き締まる以外ないだろう。
就職面接
付き合ったは良いものの俺は多忙に追われ、ずっとAとLINEをするだけだった。
それでも
彼女は「寂しくなんかないよ、頑張って」って電話越しに言ってくれた。
けどすぐに泣くなき虫な奴だ。強がっているに違いない。
だったらすぐにでも面接を終わらせて、受かって、笑顔で彼女の元に帰ってやりたい。
「それではお入り下さい。」
面接は複数の就職希望者と面接官五人の形式だ。
下手なことをすればすぐに目立つのがデメリットであり、上手いことやれば他を引き離すメリットもある。
「それでは始めますかね…」
…気に入らない
直感でそう思った。
怠そうに椅子を引くと俺達の書類に目を通す。
「では名前、そして貴社を希望した経緯をお願いします。」
「はい。」
俺の順番は最後だ。
とりあえず様子見。
ふと隣の女の子の表情が気になった。
緊張が最高峰に達しているのか目が泳ぎまくっている。
「はい、では次の方」
あっというまに隣の女の子の番になった。
「はい！…えと、若はり…あ、若春奈生子です！！」
初っぱなからかみかみの女の子
面接官の眉間に皺がよる。
「き、貴社を希望した理由は………」
あぁ、まずい
どうやら頭が真っ白になってしまったらしい。
この面接官の反応だと受かることはまず難しい。
「えと…あ、あの……」
「あのさぁ、暇じゃないんだよね」
面接官が持っていたボールペンが机を強く打つ。
その音に此方側全員がビクリとする。
「自己紹介も危うくて希望理由もでてこない？そんな奴がこの社会生きていけると思ってんの？甘いよ」
これが俗にいう圧迫面接…？
「常識がまずなってねぇんだよ。大体何？その顔、そんな緊張してちゃ出来るものも出来ないでしょ」
もし、俺がこの会社に受かったとしたらコイツの下で働くのだろう。
…気に入らない。
女の子は目尻に涙を溜めて俯いている。
もう涙も、言いたいことが言えないのも…
キ「ごめんなんだよ。」
視線が集まるのを感じる。
キ「こんな会社で働くのなんてごめんなんだよ。」
立ち上がって女の子を見るとその瞳は俺のよく知るなき虫とそっくりだった。
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らいと ? ?(プロフ) - ホッケーゲームがポッキーゲームに見えた……私も末期だな(白目) (2021年8月16日 23時) (
レス) id: 787afec2fa (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - めっちゃ面白かった!完結おめでとうです！！ (2018年7月28日 11時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 金平糖@ラビが大好きリーフパイさん» ありがとうございます！！これからも頑張っていきます！！ (2017年4月16日 2時) (レス) id: 18babaf5ed (このIDを非表示/違反報告)
金平糖@ラビが大好きリーフパイ(プロフ) - 完結おめでとうございます！ドキドキしたりギスギス(？)したりとても素敵な作品ありがとうございます！これからも頑張ってくださいね！ (2017年4月12日 22時) (レス) id: 942887e5ad (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - あさぴよ。さん» 本当かい！？やったぜ。最後までありがとう！ (2017年4月12日 21時) (レス) id: 18babaf5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2016年9月20日 21時
