三十一話【得意】 ページ34
Aside
レトさんと私は飲み物を頼むとさっそく会話を始めた。
レ「キヨ君がかなりお金持ちなのは知ってるやろ?」
『はい…』
まあ、あの家で暮らしてれば嫌でも分かるな
レ「キヨ君のお仕事はこれなんよ」
スマホにその画面を出したかと思うとテーブルを滑らせて私の前に出す。
…ゲーム…実況者?
レ「キヨ君のお仕事は現代風に言えばIT系のお仕事でね。そのキヨ君のファンは何万にんもいる。その人たちの会員費とかだけでキヨ君は儲けてるや」
つまり…ゲーム実況者界だと…
アイドル的な…?
『じ、じゃあほぼ女の子のファンが…』
レ「九割女の子やね」
う、うわぁ…
なんか凄いことを聞かされてる気がする
レ「安心して、キヨ君さすがにファンには手出してないから!」
…問題はそこじゃない…
女タラシでトラウマかかえてネット上のアイドル…?
何個顔持ってんだあの泥棒猫め
レ「だからキヨ君と付き合った女の子はみんな安心してお仕事やめちゃうんよ」
わざとらしい関西弁でニコニコと楽しそうにしながら飲み物をかき混ぜるレトさん
…女の子達が騙されて仕事やめていくのがそんなに楽しいのか…
『フジさんからも…色々聞いたんです。』
レ「へー、感想は?」
『…思っていた以上に、キヨという人間は弱かった…ですかね』
レ「…ふっふふっ…そうだね。前にフジ君があいつのこと猫って言ってたけどさ…俺的には[捨て猫]にしか見えないんだよね」
捨て猫…
思い当たる節は沢山ある
レ「その様子だとなんとなくわかるみたいだね。…キヨ君は自分を癒してくれる誰かと一緒にいたいだけなんだよ。決して女を不幸にさせたい訳じゃない」
フジと同じようなことを言ってて少し笑みが溢れる
キヨは幸い周りの友人たちには恵まれている様だ
…けど、自分が逃げたいからって人をもてあそぶのは良いことではない
『私がいなきゃダメな人間にしてあげますから、安心して下さい』
レ「へえ?自信満々じゃん」
『勿論、正真正銘の彼女ですから』
ちょっと得意気に言ってみた。
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さかな#占ツクでも低浮 - 髪燃えてる……髪……髪燃えてる……(白目) (2020年9月27日 6時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - 完走お疲れ様です!!ひっそりこっそり読んでおりましたw新作は、暗いお話大好き()なので暗い方だと嬉しいです← 最後まで楽しませて頂きました、ありがとうございます (2016年9月9日 19時) (レス) id: 12bda665fb (このIDを非表示/違反報告)
ワクテカワクテカ - 完結おめでとうございます! いつも楽しく見させていただきました。新作がまたキヨかよ!と思いましたが、絶対見ます。がんばってください! (2016年9月8日 21時) (レス) id: 74529ed988 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 早琥さん» わー、本当ですかー(´ρ`)ありがとうございます!暗いお話了解ですw (2016年9月8日 16時) (レス) id: 7406715ca6 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - レナさん» そう言って頂きありがたいかぎりです。ありがとうございました。 (2016年9月8日 16時) (レス) id: 7406715ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蠍 | 作成日時:2016年6月26日 9時