11.優しさ ページ13
急いで開けた扉の前に居たのは…
「やほ、A。遊びに来たよ。」
「啓悟…」
今まさに自分が思い悩んでいた相手だった。
「暇で暇で仕方なくってさー…目良さん達は相変わらずお疲れみたいだし、かといって筋トレとかする気も起きないし…だからさ、よかったら話さない？」
啓悟は肩をすくめて、良いイタズラを思いついた子供のように笑いかける。
きっと私の具合が悪いという言い訳を見抜いて、心配して声をかけに来てくれたんだろう。そんな彼の優しさが温かいと同時に、チクリと胸に刺さる。叶わないと知っているはずなのに、今こんなに優しくされたら___
…けれど、今はただ誰かに甘えて話を聞いてもらいたいという気持ちの方が大きかった。
「うん、…いいよ。」
「ありがと。じゃあ行こっか」
「行くって、どこに？」
「ゆっくり話すのに丁度良いとこ知ってるんだ。俺が飛んで連れて行っちゃるけん、任せて」
「はい、到着っと。」
「わぁ…！」
「綺麗でしょ？一人になりたい時とかよく来るんだ。静かで人も来ないし、話すのにはぴったりかなって」
啓悟に連れられてやって来たのは、街で一番高いビルの屋上だった。
眼下にはネオンや街灯、ビルの明かりで眩しいくらいに照らされた街が一面に広がり、上を見上げれば深い海のような色をした夜空にきらきらと沢山の星が輝いている。いつも見慣れていたはずの街が、別世界のように見えた。
「…ね、何か辛いことあった？」
「…、っ…」
「勿論、話したくないことは無理に話さなくて良いからさ」
綺麗な夜景に背を向けて三角座りをして、フェンスに背中を預ける。すると啓悟も同じようにしてフェンスを挟んだ向こうに座った。
フェンス越しに触れる背中と翼が、ほんのり温かい。
涙が出そうになるのをぐっと堪え、意を決して尋ねる。
「………啓悟は、……会長から、話…聞いた…？」
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ABC. - Mさん» コメント有難うございます！！そう言っていただけて本当に嬉しいです…！応援も有難うございますm(_ _)mこれからも期待に沿えるような格好いいホークスをじゃんじゃん書いていきますね！！ (2020年4月7日 1時) (
レス) id: c992215576 (このIDを非表示/違反報告)
M - ホークス好きなんで、読んでとても良かったです。読みやすいし、ホークスの１つ１つの仕草がカッコよくて読んでて惚れました！話の続きも気になります(^^)これからも応援してます、更新頑張って下さい。 (2020年4月6日 21時) (レス) id: 090483948a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ABC. | 作成日時：2020年3月20日 2時
