◇◆２◆◇ ページ2
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「まだ、いらっしゃったんですか」
潤「ん、俺も溜まんないうちに仕事終わらせたくてさ？」
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ああ、蛍光灯の灯より
何十倍、何百倍も光り輝く笑顔
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３コ上の、先輩
松本潤さん。
仕事熱心、人望も厚くて、飾らない雰囲気と大人の色気が漂うルックスは
取引先の人までも虜にしてしまうぐらい.....
私とはまるで正反対のような人。
到底、私には手の届かない相手。
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「.....今日、なんの日か知ってますか？」
潤「バレンタインでしょ？そんくらい知ってるよ(笑)はい、これどーぞ」
「ありがとうございます」
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彼は紙コップに入ったコーヒーを私の両手に握らせて
チェアを引きながらコーヒーをひとくち、ズズッ...と飲んだ
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彼のデスクワークは奇跡的にも私の向かい
仕事中の彼の真剣な顔を真正面からみられることだけが
密かなわたしの特権
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「..........あの、......」
潤「.....ん？」
聞いていいのかな？
いや、だめ.....？
でも、こんな日に会社に残るだなんて.....
「彼女、....とか、いらっしゃらないんですか...」
潤「なんで？」
「いや、だって.....、おかしいじゃないですか」
スカートを握る手にじんわりと汗が滲む
「こんな....、松本さんなんて彼女のひとりやふたりいそうなのに」
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潤「......っふ(笑)」
「.....///？？」
私の言葉がツボにハマったのか
お腹を抱えて笑った松本さん
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潤「彼女が２人もいたら大変(笑)」
「あ...//...ごめんなさい....//.....ふふっ」
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恥ずかしさを誤魔化すように
控えめに笑ったら
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俯きがちに笑った顔がふ、と私の方へ向いて
バチリと目が合った
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潤「........佐々木さんってそんな風に笑うんだね」
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どうしよう
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目に穴が開くんじゃないかってぐらい
今、わたし
松本さんに見つめられてる
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柔らかな瞳で
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「.....そんな、風に....//？」
潤「だって、ほら。いつも無表情っていうか....」
「むひょうじょう.....」
潤「ああ、ごめん、そういうんじゃなくて。なんつーか.....笑った顔あんまり見たことなかったから」
「.....ちゃんと、笑いますよ？取引先との商談のときとか....」
潤「それは仕事上で、でしょ？こうやってさ、会社の人とかとしゃべるとき、あんまりなくない？」
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松本さんに言われて初めて気づいた、日頃の自分
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潤「.....笑ってる方が、可愛いのに」
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時が止まった気がした
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作者名：結嘉 | 作成日時：2016年2月21日 16時
