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「ごめんなさい、皆さん」
小さく呟き、録音終了すると、急いでグループ画面を開く。
「何してんだよ……?」
何もわからない様子の先輩達。
「ジ、エンドです」
「は?」
私は、終わりました、と打ち、送信する。
「調子乗ってんじゃねえよ雑魚が!」
「このっ……痛い目見ないと分かんないの!?」
私を殴ろうと、大きく手を振りあげる。
その手を振りかざした瞬間、部室の扉は開かれる。
皆が走って入ってきたと同時に、平手をくらう。
流石に、叩かれた所は見られてしまった。
「あ、み、皆……」
私を叩いた先輩が、恐る恐る振り返る。
そこには、殺気が見える程のオーラが漂っていた。
「こ、これはね!? あの、皆の水筒を取ったから、罰? みたいな?」
あはは、と苦笑いで笑うけれど、彼らは誰一人として笑ってはいなかった。
「ええ加減にせえよ、ほんま」
「野放しにしときゃ好き勝手しやがって」
「もう我慢ならねえな」
岳人さんは肩を回し、亮さんは首を鳴らしていた。
「おい、A。再生しろ」
「あ、はい……」
景吾さんの指示に従う。
ピ、と音がすると、録音したものが再生された。
『まじ傑作だよね』
『私らがやったのに、Aが罪を被ってくれるなんて! ほんと、最高』
最初、何が流れているのか分からない様子だった先輩たちも、何をされているのかが分かったようで、私から携帯を取ろうとする。
「おっと、させねえぜ!」
亮さんが、物凄い速さで私の前に立ち、阻止する。
「そ、それは嘘よ!」
「こんなこと言ってないわ!」
「じゃあ、誰の声ー?」
眠そうな声から、にしし、と徐々に元気な声になっていく。
「俺らのは、ぜーんぶ演技だったの! 俺達がAちゃんを疑うわけないじゃん?」
そろそろ、全てが再生される。
「空き教室にあるんですよね? 早く取って来てください」
若くんは、今日一番の目つきで睨んだ。
「そ、そんな……」
「私たちじゃ……し、信じて……」
今にも泣きそうになっている先輩達を見ると、どうしても、罪悪感が生まれる。
「だーから、取ってきて?」
「信じてよおおおっ!!!」
一人の先輩が、慈郎さんに抱きつく。
「私たちは、どうしてもマネージャーがやりたいの!!」
その目は、人間とは思えなかった。
「その為なら、誰でも突き落とす」
「よくそんなんで俺様に媚び売ってたな、アーン?」
「あんた達が彼氏にならないからでしょ!? 告白してるときに付き合ってくれたら、今頃私も注目の的! それなのに、それなのにっ……」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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かるぴん(プロフ) - 面白いです! (2021年2月25日 3時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます!更新できずにすみませんでした! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした!これから更新していく予定です!! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください! (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください!私この、むーくん大好きです!続き気になりますがんばってください! (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いーさん | 作成日時:2017年8月16日 17時

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