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男とか女とか、そんなに大事なことなのかな。私にはやっぱり分からない。
「ま、お前らしくて良いんじゃねえの」
景吾さんが私の頭を優しく撫でる。大きな手。優しい手。暖かくて、気持ちがいい。
「あー！ 跡部抜け駆けずるいCー！！」
「はっ、お前らが遅いだけだ」
「ぶーぶー！」
「ふふっ」
「ん？ どうした、A」
「あ、いえ…」
ただ、いつも通りの光景が幸せに感じてしまった。いつも通りに笑い合う、そんな小さな幸せ。なんで今それを感じたのかな。でも、そう思ったんだから良いよね。
「あ、私、お母さんに電話してきますね」
「ああ、行ってらっしゃい」
画面をつけると、亮さんの待ち受け画面が表示された。今見ても格好いい。思い出すだけで見とれてしまう。口元がにやけてしまった。変な人だと思われる前に部屋を出よう。歩きながら電話をかける。部屋を出て扉を閉めると同時に繋がった。
『A、どうしたの？』
「お母さん、一応連絡しておこうと思って」
『あらありがとう。どう？ 楽しい？』
「うん！ プールに入ったりしたの！」
『そう、良かったわ。お母さんと話すより、皆とお話しておいで。せっかくだから、楽しんできなさいよ』
「ふふっ、ありがとう！ じゃあね！」
『ばいばい』
電子音が耳に流れる。無機質だなあ。
部屋に戻ると、皆笑い合っていた。楽しそうに。それを見て私も笑顔になる。…でも、私は選ばなければいけない。皆の中から、たった一人を。大切な人たちの中から、選ばなければいけないのだ。私にできるのか？ 胸がちくりと傷んだ。
「あ、Aさん。おかえり」
「…あ、長太郎くん…。うん…」
「どうしたの？ 元気ないよ？」
「いや、何でもないよ」
皆が私を心配する。嬉しい。とても嬉しい。だけど、心のもやもやは増えるばかり。優しくされるたびに、罪悪感のようなものが大きくなる。選べない。選べないよ。皆大事な人なんだもん。
「…ごめんなさい」
「いや、謝ることないだろ。どうしたんだ、おかしいぞ？」
「…何も、ないんです…」
「…お嬢ちゃん、無理したらアカンで。言いたいことあんならはっきり言わな」
優しくしないで。泣いてしまう。もっと辛くなる。
「Aちゃん、大丈夫じゃないよー？」
お願い。これ以上私の大切な人にならないで。
「親と何かあったのか？」
「ちが、うん…です…」
どうして、皆はこんなに良い人達なの。もっと酷い人だったなら、良かったのに。ああ、神様。私はどうしたら良いのでしょう…。
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かるぴん(プロフ) - 面白いです！ (2021年2月25日 3時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます！更新できずにすみませんでした！ (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした！これから更新していく予定です！！ (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください！ (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください！私この、むーくん大好きです！続き気になりますがんばってください！ (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いーさん | 作成日時：2017年8月16日 17時
