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頭を撫でられ、少しは気がおさまったものの、仲間はずれ感は残っているもので、まだむくれていた。
「A……」
「……むーくん」
「芥川さんも、皆さんも、Aの為を思って言ってます……」
「でも」
「Aを、悲しませたくないという、善意……です」
「……うん」
「だから、あんまり、怒らないでください」
「……ん」
小さく両腕を広げる。
「……？」
「むーくん！」
むーくんはまだ分からないようなので、今度はめいっぱい広げて、抱きしめてと合図を送る。
「……ウス」
のそのそと近寄り、椅子に座ったままの私をその大きな巨体で抱きしめてくれた。
「……うん」
「期限、直りましたか？」
「……じゃあ、侑士さんと若くんも抱きしめてくれたら」
俺もかよ、と明らかに嫌そうな目で見られたが、同罪でしょ、と伝えると黙った。
「お嬢ちゃんも物好きやな……俺らにとってはご褒美やで」
「私にとってもご褒美です」
「何でや」
「抱きしめるのも抱きつくのも好きなんです」
少しずつ気が緩んでいく。
「じゃあ、次は若くん！」
「……はあ、ほら」
席を立ち、私の元へと来て、両腕で包んだ。
「ふふ、いい香りだ〜」
もう、機嫌は直っていた。若くんは顔が赤かったけれど、私は満足して、また朝食をとった。
「お嬢ちゃん、怒らせると怖いなあ……」
「大体、芥川さんと宍戸さんが変な態度とるからですよ」
「だってえ……」
「じ、ジローが変な話してくるからだ」
「……まあ、いいですけど」
日吉は訝しげに二人を交互に見てから、目を逸らす。
「あ、ジローは朝起きた時どないやったん？」
「んえ？ 何がー？」
「せやから、朝起きた時の男特有のアレや、アレ。あんな夢見たら、何か変化あったんちゃう？」
「はあっ！？ ちょ、馬鹿、何聞いてんの！？」
「ゆーしってばまじ変態だな」
「何や、気になるやん」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ皆を見つめながら、彼女は笑顔が零れた。話の内容はよく分からないけれど、微笑ましいと思いながら。
彼らだって、一般人と変わらないのだ。
中学生のテニスには見えない常識を覆す試合を行い、ルックスが良いだけで、根本的に変わりはないのだ。
彼女だって、普段は怯えてばかりで敬語口調であるが、この様に仲の良い仲間と共であれば、怯えるどころか笑顔を絶やさない女の子なのだ。
「あっとべー、これからどーすんの？」
岳人さんは、頭の後ろで手を組みながら、流し目で問う。
「そうだな、丁度今日は休みだからな……よし、合宿に行くぞ」
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かるぴん(プロフ) - 面白いです！ (2021年2月25日 3時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます！更新できずにすみませんでした！ (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした！これから更新していく予定です！！ (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください！ (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください！私この、むーくん大好きです！続き気になりますがんばってください！ (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いーさん | 作成日時：2017年8月16日 17時
