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「A、お前まだ食べるのか?」
「あ、はい! 美味しいので!」
「胸焼けしたり、お腹いっぱいになってへんのか?」
「勿論です。まだ入りますし、胸焼けもしてません!」
やはり食べ過ぎだろうか。けれど、なぜだかにこにことして私が食べているのを見ている景吾さんと侑士さん。
「景吾さんっ! こんなに美味しいご飯とケーキを食べさせてくれてありがとうございます!」
本当、感謝しかない。
「おう」
答えた景吾さんは、見たことのない優しい笑顔だった。

「ご馳走様でした!」
手を合わせて言うと、皆は唖然としていた。
「お前……ここにあるもんほぼ食ってんじゃん……」
「はは、亮さんはあまり食べませんでしたね」
「いや、お前が食べ過ぎなんだよ」
うん、確かに食べ過ぎかも。明日太ってるかも。
「ま、俺様の家の料理が美味しかったんなら良かった。シェフも喜ぶ」
「本当に美味しかったです、ありがとうございました!」
気にするな、と笑った。

「お風呂かあ、誰から入ります?」
景吾さんの部屋に集まって話をしていた。
「男は全員で入ればいい。Aが先に入るか俺達が先に入るか、じゃんけんで決めるぞ」
景吾さんからじゃんけんという言葉が聞けるなんて、何だかレアな気がした。
じゃんけんの末、私は負けた。
「じゃあ、行ってきます」
一度部屋に戻り、洋服を持って風呂場へと向かう。勿論、メイドさんに案内してもらった。

「う、うわあ……! 広い!」
ここは一流ホテルか旅館か。何でもアリだな。
シャワーもはじめから暖かくて丁度いい温度、温泉も心地よく、泡風呂まであった。初めての泡風呂は何だかくすぐったかった。

髪を拭いて服を着替え、またメイドさんに案内してもらって部屋に戻った。
「ただいま戻りましたー」
部屋に入った途端、騒がしかった声はピタリと止んだ。
「え、と……あの、何か……?」
何かしてしまっただろうか。まさか、私が来てはいけない、何か大切な話をしていた、とか。
「い、いや、何でもないで」
侑士さんが眼鏡を押し上げて答える。
「そ、そうですか……?」
「ああ、気にするな」
若くんもそう言ってるし、ただ私がいきなり入ってきたから驚いただけなのかも。

健全な男子の集まり故、彼女の濡れた髪とほんのりと赤くなった頬、漂う柔らかな香りと新鮮なパジャマ姿には皆心を打たれた。
彼女の艶やかな綺麗な髪は、より一層綺麗に靡いていた。

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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かるぴん(プロフ) - 面白いです! (2021年2月25日 3時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます!更新できずにすみませんでした! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした!これから更新していく予定です!! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください! (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください!私この、むーくん大好きです!続き気になりますがんばってください! (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いーさん | 作成日時:2017年8月16日 17時

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