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「太ってねえだろ」
「え、そんなことないですよ。二の腕とか、太ももとか、お腹とか……すっっごく気になります」
忌々しい脂肪たちを睨む。
「いや、お嬢ちゃんの足は綺麗やで。ごっつええ肉付きや」
右隣に座っている侑士さんが、会話に参加する。
「え、そ、そう……ですかね」
いい肉付きだと言われても、何だか困るな。
「おい忍足、気持ち悪いことを言うな」
「え、何でや」
「お前が言うと犯罪になる」
「何や人を犯罪者みたいに」
「それでなくとも逮捕逮捕と言われてるだろ」
「え、誰に」
「あ……いや、何でもない」
「ちょ、それが一番傷つくねんけど……」
二人共真顔だから、冗談に聞こえない。

皿に乗っている物をすべて食べ終わったところでデザートを取りに行く。
「わあ、あのケーキいいなあ」
本当にどれも美味しそうだ。高そうだし、こんなものをタダで食べるなんて気が引けてしまう。けれど、折角出してもらったのだ、お腹いっぱい食べよう。
「よーし」
席に戻り、ケーキの山を上から食べていく。
「んー……おいし……」
苺の甘さが際立つケーキ、チョコの自然な苦味が美味しいケーキ、色々なケーキを頬張っていく。
「おー! Aちゃん、いい食べっぷりだねー!」
「はい! 久しぶりにいっぱい食べますー!」
「うんうん! おいしそーに食べる君ってすっげーかわE!」
にっこにっこと効果音が付きそうなほどの笑顔だ。
「え、そうですかね」
「うん!」
「やだ慈郎さんってば上手いんですから」
うっかり勘違いしそうだ。私が可愛いだなんてありえないんだから。
「えー……嘘じゃないのになあ……」
ぽつりと何かを呟いていた。
「ジロー、アイツは手強いからな」
「ほんとに」
「……やっぱ、お前もなんだな」
「宍戸こそ」
「ま、叶わなさそうだよな」
「超のつく鈍感だもんねー」
私はその会話など聞こえず、ケーキを食べることが幸せだった。
「A」
「むぐ……んう、なに?」
ケーキを頬張っているとむーくんに呼ばれる。
「そこ、ついてます」
「ん? どこ?」
「ここ……です」
むーくんは、私の口元についていたクリームを紙ナプキンで取った。
「ほんとだ、ありがと!」
「……ウス」
それを見ていた者は、ワナワナと光景を見ていることしかできなかった。
「か、樺地……」
「お前ってやつはー!!」
「許せないよねー!」
亮さん、岳人さん、慈郎さんはむーくんに突っかかっていった。仲がいいんだなあ。

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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かるぴん(プロフ) - 面白いです! (2021年2月25日 3時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます!更新できずにすみませんでした! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした!これから更新していく予定です!! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください! (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください!私この、むーくん大好きです!続き気になりますがんばってください! (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いーさん | 作成日時:2017年8月16日 17時

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